「失恋ショコラティエ」は全9巻。
2014年に、嵐の松本潤さん主演でドラマ化もされた恋愛漫画です。
作者は、水城せとな。
失恋ショコラティエ
主人公は小動爽太(ソータ)。
実家がケーキ屋さんのソータは、高校生の時に年上の女性・サエコさんに一目惚れしてから、ずっと一途に片思い。その後一応付き合えたものの、結局はサエコが元カレとヨリを戻したと簡単に振られてしまい、その振られた原動力でフランスに留学、5年間の修行の後に、帰国してショコラティエとして自分の店をオープンします。
しかし、ソータがまだ片思いをしている肝心のサエコさんは、既に結婚が決まっていて…。
出だしはこんな感じで、主人公ソータと片思いのお相手サエコさんを中心に、お話は進んでいきます。
素直に主人公が凄い
大人になってから少女・恋愛漫画の類がくだらないと感じて読めなくなってしまったBBAの私ですが、この漫画はそもそも既婚女性が主人公の片思いの相手なので、もちろん一筋縄ではいかない部分が面白い。
というより、主人公のソータが素直に凄い。
ソータの凄い所は、とにかくサエコさんのことが大好きで一途な所。
サエコさんに振られた失恋のショックからヤケクソ?でフランスに留学、結果ショコラティエとして自分の店をオープンしてしまうし、新作チョコレートの発想力や、果ては店の経営まで、全て「サエコさんのため」という思いが原動力となっているんだから、なんかもう凄いを通り越してもはや恐過ぎです。
しかも、漫画の主人公だけあってイケメン。
ちゃっかりフランスで女遊びまで覚えたらしく、女性の扱い方も下手ではなく、体だけのお友達まで作れてしまう。
完璧やん。
気持ち的には恐ろしいくらいソータは一途なんだけど、相反して(相手女性・えれなからの提案とはいえ)美人の体だけのお友達を作れる割り切り具合も、大人から見ると非常にリアリティで、無駄な矛盾を感じずにいられました。
サエコさんは悪女ではない?
同じ女性から見ても、確かに、サエコさんはめちゃくちゃ嫌な女です。
男とっかえひっかえで、最初ソータと付き合った時も、決して誠実なお付き合いをしていたとは到底思えない振り方です。
ショコラティエとして日本に戻って来たソータに対しても、結婚したというのになんだか思わせぶりな態度とりまくるし、まさに女の敵と言われてもおかしくないというか、ソータに片思いをしている従業員の薫子さんが最初敵視するのもよくわかります。
ただしこの子、多分誰に対しても同じ態度なんだろうと思いました。
狙った男性・自分に気のある男性に対して媚を売るような態度をするのはもちろん計算でしょうが、おそらく相手が男性だと、そういう態度を半分無意識、半分計算で取ってしまう子なんですよ。
そして、女性に対しても基本は優しい。
結婚後も友達にバレンタインのチョコを送るほど人間関係に気を遣っているし、薫子さんの恋愛相談?にも気軽にアドバイスしてくれる辺り、女友達を踏み台にしてとかって発想はあまりないような女性に見えました。
(ただ、人の彼氏にも媚を売る態度をとる子だし結婚してもそれは変わらないし、自分が振り回している男性のヤキモキ態度を面白おかしく見物しているようにも見受けられるので、女性からは嫌われるキャラでしょうね)
個人的には、他人に意地悪しようとして実際に意地悪をしている子ではないので、単純に男性に対してそういう態度でしか対応ができない子なんだなという印象です。
結婚した旦那さんが手を上げてくるような最低野郎だったことも、普通に同情してしまいます。
だけどね、最低クソ旦那から逃げるためとはいえ、ソータの店を間借りするのは良くなかったですし、自分から誘う形でソータと体の関係になったのは非常によろしくないですね。
てゆーかこの時、自分が妊娠してたことわかってなかったの?
妊娠初期にそういう行為をするのは控えた方がいいだろって思うし、しかも相手は旦那以外の男。
ここだけはサエコさん、完全にナイですわ。
ソータ視点で見ると、長年片思いの女性と結ばれて良かったね!?という感想ですが(笑)
本当のダメ女は…
個人的に、「失恋ショコラティエ」の本当のダメ女は、ソータの妹、まつりです。
漫画の中では、ソータの友達・フランス人のオリヴィエと付き合って最後は結婚までしていますが、オリヴィエと付き合うまでは、同じ大学に通う友達の彼氏と付き合ってました。
同じ大学に通う友達の彼氏と、付き合ってました!!
はい、ここめちゃくちゃ大事な所なので二回言いました。
私がまつりがダメ女だと思う最大の理由は、友達の彼氏なのに、その彼氏と密かに交際していたことです。
もちろん男がクッソ最低なのは大前提だけど、友達の方が彼氏がいると周囲に公表している辺り、おそらく友達の方がその男と先に付き合っていたんだし、好きになって告白までしてしまった後で友達と付き合ってることがわかってしまったとしても、やはりまつりの方がやってることがダメダメです。
というか、彼氏が友達と付き合っているとわかった時点ですぐに関係を清算したなら大いに同情できたけど、当の友達が「彼氏が浮気してるかも…」と悩んでいて、その姿を見て心を痛めながらも、すぐには関係を清算できずにズルズル…。
余裕でダメ女やん。
友達の立場からしたら、自分の彼氏がこっそり自分の友達=まつりとも付き合ってるってことになるので、そりゃあショックもでかいですよ。
表面上は悩みを聞いてくれていたと思っていたのに、実は陰でこっそり自分の彼氏と浮気してるんだから。
まつりの方もそのことで悩んでいたのはわかりますが、だったらすぐにクッソ最低男を問い詰める等して、関係を精算するべきでしたね。
同じダメ男に引っかかった女同士は、逆に親友になり得ることもあるので(笑)
結局、オリヴィエに惚れられて悩みながらも順風満帆な交際をしてまつり自身は良かったかもしれませんが、彼氏とまつりに裏切られた立場の友達にしてみれば、一生忘れられない心の傷を負わされたようなもので、
「お前が泣くんじゃねぇよ!」
という友達の台詞は、まさにごもっともなんです。
オリヴィエとの結婚式には、確実に大学の友達は誰も出席していなかったでしょうね。
(てゆーか、多分普通に友達の縁を切られている)
半分天然半分計算の単純男好きサエコさんより、友達の彼氏とわかっていながらこっそり陰で付き合っているまつりの方が、よっぽどダメ女だと、私は思います。
まとめ
ソータの一途な恋心からの成長と、サエコさんの計算小悪魔っぷりが楽しめる失恋ショコラエティエ。
巷ではサエコさんが悪女で有名だけど、個人的にダメ女という意味では、実はソータの妹・まつりの方がめちゃくちゃダメ女だなと感じました。
サエコさんに関しては、確かに既婚者としてあるまじきなこともしているけど、恋愛アドバイスを貰うなら一番の適任者だろうから、薫子さんのように友達になってしまうと良いのでしょうね!
この漫画読んでると、チョコが食べたくなります…(笑)
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