【金田一少年の事件簿】「学園七不思議殺人事件」タガが外れた後の犯人の思い切りの良さがヤバ過ぎる

 

金田一少年の事件簿の「学園七不思議殺人事件」から、犯人である放課後の魔術師の意外なヤバさについて、長々と考察します。

 

*以下、最初から最後まで「学園七不思議殺人事件」のネタバレ(犯人等)が全開なので、未読の方は要注意*

 

犯人「放課後の魔術師」とは

(さとうふみや/金成陽三郎、講談社「金田一少年の事件簿」単行本版4巻165ページ)

正体は、的場勇一郎。

金田一少年シリーズでは定番の復讐が動機ではなく、利己的に教え子2人を手にかけた物理教師です。
(10年前にも、故意ではなかったがやはり教え子の命を奪い、美雪にも重傷を負わせました)

動機は、過去の自分の罪を隠すための自己保身です。

現在は金田一少年たちが通う不動高校の物理教師ですが、30年前は高畑製薬という製薬会社に勤めていた的場。

当時、高畑製薬は新薬による人体実験を行った結果、6人の治験者全員が命を落としてしまい、その事実を隠避するため、会社ぐるみで6人の遺体全てを建設中だった新しい建物に隠すという、大暴挙に出ました。

遺体が隠された建物は創立前だった不動高校に寄附され、社長から寝ずの見張り番を押し付けられた的場は、教師になって不動高校で働き出したのです。

遺体が隠されている場所には「六不思議」として怪談を流して生徒を寄り付かなくさせたものの、逆に学校の怪談に興味を持った生徒によって過去の高畑製薬の罪を暴かれたり、偶然にも壁に埋まった遺体を発見されたりして、犯行に重ねました。

トラウマになりがちな不気味な姿

放課後の魔術師と言えば、その不気味な仮面姿が有名です。

漫画版では、こんな感じ。

(さとうふみや/金成陽三郎、講談社「金田一少年の事件簿」単行本版4巻165ページ)

真夜中の学校で目撃したら、ガチで絶叫モンのお姿となっています。

犯人の的場曰く、仮面はニューギニアの呪術師が使うものとのこと。

ドラマ版では、漫画版よりも適当な仮面な割に更に一味違った不気味さを醸し出していました。

第一話「オペラ座館殺人事件」の怪人のマスク姿も不気味でしたが、こちら放課後の魔術師も、金田一少年シリーズではトップクラスのトラウマ必須な不気味さでした。

★同じ外見不気味な「オペラ座館殺人事件」犯人の犯行下準備を考察した記事は、こちらから。

【金田一少年の事件簿】「オペラ座館殺人事件」犯人 歌月の犯行までの下準備を暴いてみた

タガが外れる前の犯人

「学園七不思議殺人事件」最初の事件は、犯人である的場が突発的に桜樹さんを手にかけたように思われがちですが、実はそうではありません。

的場は、桜樹さんを手を下すか下さないか、相当に悩んだように思えます。

犯行の前、迷いに迷いまくった犯人

偶然発生した地震のせいで、10年前に的場が壁に隠した青山ちひろの白骨遺体を発見してしまった、ミステリー研究会の桜樹るい子先輩。

(さとうふみや/金成陽三郎、講談社「金田一少年の事件簿」単行本版4巻134ページ)

金田一少年シリーズのお色気要員かと思ったら(実際そういう場面もありますが)、ミステリー研究会なんて言う知的なサークルの会長です。

★桜樹さんが所属するミス研メンバーの紹介記事は、こちらから。

【金田一少年の事件簿】「学園七不思議殺人事件」揃いも揃って全員個性が強すぎる、不動高校ミステリー研究会の部員たち

おそらく地震が収まった後、的場は遺体を隠してあるミス研部室の様子が気になり、そこにはまだ桜樹さんが居残っていたことを知っていたのもあり、一応様子を見に行ったのでしょう。

そうしたら、なんと壁の一部が崩れており、中の白骨がむき出しに!

地震によって老朽化した壁が崩れるなんてことは、誰も予測できなかった完全なる偶然の出来事なので、桜樹さんはもちろん、的場にとっても驚愕の事態だったことでしょう。

しかし的場は、すぐには桜樹さんに手を下しませんでした。

(さとうふみや/金成陽三郎、講談社「金田一少年の事件簿」単行本版5巻131ページ)

当時の犯行の様子の回想シーンでは、白骨発見直後に悪魔の囁きがあってすぐに手をかけた描写のように見えますが、実際は桜樹さんがワープロで暗号文を作成後、公衆電話で金田一少年に電話をかけた直後に手を下しています。

つまり、地震発生後に白骨を発見した桜樹さんがワープロで暗号文を作成している間、なぜか的場は何もせずにいたのです。

 

ではなぜ、的場はすぐ桜樹さんに手を下さなかったのか?

 

単純に考えれば、突然の緊急事態に的場も困惑を極めたからです。

10年前にも生徒の遺体を壁に隠すという罪を犯してしまっている的場が、定年前に再び、大罪を犯すかそうでないかの状況に陥ってしまえば、これからの処遇に困惑してしまうのは当然のことでしょう。

「何もかもおしまいだ…!」

と、最悪の状況にショック過ぎて頭がフリーズしていたのか、これからの自分について、桜樹さんについて、グルグルグルグル天使と悪魔が的場の周囲を飛んでいたのか…。

その結果、いくらでも手を下すチャンスがあった桜樹さんを、いつまでも放置してしまいます

桜樹さんが暗号文を作成していた時間がどのくらいかは確定できませんが(そんなに長い時間作成したようにも思えないが)、なんにせよ、桜樹さんが暗号文を作成していた時間、的場にしてみればあっという間の時間だったことは間違いないはずです。

結果的に、桜樹さんが暗号文をフロッピーに保存して、部室を出て公衆電話に向かって廊下を一人歩いている時も、的場はまだ手を出しません。

桜樹さんの後をつけながら、まだまだ頭がフリーズしていたか、迷っていたのでしょう。

普通に考えれば、桜樹さんが公衆電話の前に立った時点で、彼女が警察を呼ぶのか、それとも他の誰かに電話して白骨のことを教えてしまうか、どちらにせよ的場にとっては最悪の状況になること間違いないのに、それでもまだ的場は手を出さず、桜樹さんがダイヤルを回すのを止められませんでした。

(さとうふみや/金成陽三郎、講談社「金田一少年の事件簿」単行本版4巻151ページ)

そして、桜樹さんが金田一少年と電話している最中に、ようやく決断に至ったと考えられます。

一度会話を始めてしまっては、電話が終わるまでは待たないといけません。

こんな言い方は不謹慎ですが、的場にしてみれば誰もいない旧校舎ではいつでも桜樹さんに手を下せるチャンスがあったはずなのに、迷いに迷いまくった結果、桜樹さんが第三者を呼び出した後という最悪のタイミングで、ようやく犯行を決断したのです。

せめて桜樹さんが金田一少年に電話をかける前に犯行に及んでいれば、金田一少年に正体を暴かれるきっかけになったアリバイトリックを実行せずに済んだし、用務員の立花氏の目を盗めば、ゆっくり夜に遺体をどこかに埋めるなり隠すなり七不思議の場所に放置するなりできたはずなのに…。
(桜樹さんを待ち伏せをしていた真壁が不審がりそうではありますが)

(船津紳平/さとうふみや/金成陽三郎/天樹征丸、講談社「犯人たちの事件簿」1巻58ページ)

ようやく決断した時は最悪のタイミングでの犯行だったので、的場視点の漫画でも、トリックを考える時間が無い…!と悔やんでいます。

つまり、突発的な犯行ではなく、めちゃくちゃ困惑を極めた末の、(だけどタイミングが最悪だった)完全な故意の犯行だったのです。

タガが外れた後の犯人

物凄く迷いながらも、なんだかんだ最悪のタイミングで教え子を手にかけてしまった的場ですが、逆にこの後の的場は、桜樹さん犯行時とは違ってタガが外れてしまったのか、ヤバイくらいに思い切りが良いです。

次の事件を思い返してみます。

一切迷わない決断力と行動力

第二の事件の被害者は、桜樹さんと同じミス研部員の尾ノ上君です。

(さとうふみや/金成陽三郎、講談社「金田一少年の事件簿」単行本版4巻139ページ)

漫画版では金田一少年と同じ2年生、アニメ版では3年生の設定でした。

的場は、これ以上誰も壁の白骨に近付かれないよう、ミス研部員に七不思議から遠ざけるよう言ってみたものの、その場で真壁からの怒涛の嫌味に尾ノ上君がプッツンとキレてしまいます。

(さとうふみや/金成陽三郎、講談社「金田一少年の事件簿」単行本版5巻20ページ)

コンパスで真壁に襲い掛かった後、壁に激突しながらグサグサ刺しまくる尾ノ上君。

この時、金田一少年はじめ、顧問で教師の立場にある的場ですら、尾ノ上君に何も言葉を掛けられずにいました。

立場上は一応教師なので、真壁を諫めるなり尾ノ上君にフォローを入れるなりして欲しいところですが、的場はこの後の尾ノ上君の、

「ポスター替えときますね」

というちょっとした一言で、サクッと尾ノ上君を消すことを決意

桜樹さんの時は困惑を極め先延ばししまくったのに、尾ノ上君の時はさり気ない一言だけでソッコーで決断、早速行動に移していて、その行動力が逆に怖いくらいでした。

(剣持警部も「なんて安直な…」と呆れていましたね)

万が一の備えも決して忘れない

最後は、美雪が重傷を負わされた事件です。

(さとうふみや/金成陽三郎、講談社「金田一少年の事件簿」単行本版5巻132ページ)

一人で部室に行ってしまった美雪を追いかけたら、彼女も白骨を隠してあるポスターを剥がそうとしていて、慌てて持っていたハンマーで殴ってしまったと言う的場。

こちらも突発的な犯行かと思いきや、

あらかじめハンマーを持っている辺り、最初からやる気マンマン

です。

常に最悪の事態も想定して準備を怠らないという姿勢だけは評価できますが、やっていることがアレなので、なんとも、ねぇ…。

桜樹さんを手にかけたことが、的場にしてみれば本当に初めての本気の犯行だったので、桜樹さんの事件をきっかけに、何か的場の中でタガが外れてしまったのかと思わざるを得ないほど、尾ノ上君の事件からは犯行までの過程の思い切りの良さがヤバすぎでした。

(10年前の青山さんの時は故意ではなく、事故で命を奪ってしまったので、サツ意を持っての犯行は桜樹さんが初めてです)

まとめ

「学園七不思議殺人事件」の犯人 放課後の魔術師の、タガが外れた後のヤバさについて、考察してみました。

最初の桜樹さんの事件の時は、地震によって壁が崩れて白骨を発見という犯人の的場にしても超想定外の出来事の後だったので、散々迷いに迷って先延ばしまでしてからの犯行でしたが、一度犯罪を犯してしまうと何かタガが外れてしまったのか、その後の犯行の思い切りの良さが異様に目立つ犯人でした。

特に尾ノ上君は、本気でポスターを替えようとしていたのか不明瞭だったのにも関わらず、ハンマーで滅多打ちにされてしまい、金田一少年シリーズの中でも可哀想な被害者の一人でした。

 

学園七不思議殺人事件は、金田一少年シリーズ第四話です。

的場視点の漫画は、完全ギャグ風味です。

 

 

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