【映画ドラえもん考察】「のび太の恐竜2006」で、なぜドラえもんたちは最後にタイムパトロールを頼らなかったのか?

 

スタッフ・声優陣が一新された新ドラえもんの映画シリーズを考察していきます。

第一回目は、新シリーズ第一作目の「のび太の恐竜2006」から、ラストのドラえもんたちの行動について考察します。

 

*以下、映画のネタバレがあるのでご注意ください*

 

映画ドラえもん のび太の恐竜2006

新ドラえもんの映画シリーズ一作目「のび太の恐竜2006」は、2006年に映画公開されました。

この映画は、旧声優陣のドラえもんシリーズ一作目「のび太の恐竜」を完全リメイクしたもので、元々の映画は1980年の公開なので、26年越しのリメイク作品です。

物語の流れは原作の大長編・旧作映画のままで、台詞も似通った部分が多数あります。

あらすじとしては、恐竜らしき卵の化石を見つけたのび太が、タイムふろしきを使って卵を元通りにしてから孵化させたフタバスズキリュウのピー助を飼育する所から本格的に始まり、ピー助を本来彼がいた時代の白亜紀に戻すため、ピー助を狙う悪役の黒マスクらと戦いながら、約1憶年前の白亜紀、まだ恐竜がいた時代をドラえもんたちが冒険するというお話です。

*原作の大長編・1980年映画版の「のび太の恐竜」については、こちらで存分に語っています。

【大長編・映画ドラえもん感想】ドラファンが「のび太の恐竜」を語り尽くす!

*原作の大長編・1980年映画版の「のび太の恐竜」の名言ランキングはこちらから。

【大長編・映画ドラえもん】「のび太の恐竜」名言ランキング!

*「のび太の恐竜」タイムマシン考察記事は、こちらから。

【大長編・映画ドラえもん考察】「のび太の恐竜」で、ドラえもんはなぜタイムふろしきを使用しなかったのか?

*リメイク版「のび太の恐竜2006」の感想記事は、こちらから。

【映画ドラえもん感想】「のび太の恐竜2006」の感想! 原作・旧作映画とも比較してみた

のび太たちはどうやって徒歩で日本まで帰れたのか

さて、リメイク版の「のび太の恐竜2006」では、終盤タイムパトロールの助けもあって無事に黒マスクドルマンスタインから全員逃げだした後、徒歩で最終目的地であった白亜紀の日本に帰ることとなります。

原作漫画・旧作映画では、黒い男たちを倒した後にタイムパトロールによって日本に帰して貰い、そこでピー助と本当のお別れをすることになりますが、リメイク版ではタイムパトロール隊を頼らず、最後まで自分たちの足で帰ることになるのです。

これはおそらく、

「自分たちの力で最後まで成し遂げさせたい」

という制作陣の思いから、徒歩でのび太たちを日本まで帰そうということになったのだろうと大人の事情で推測できますが、現実問題、小学生たちが今すぐに日本に帰りたいという心情の中北アメリカで散々恐竜たちで怖い思いをした後に、肝心のタケコプターなどひみつ道具がない状態で、

 

どうしてわざわざタイムパトロール隊を無視してまで歩いて日本まで帰ることにしたのか、甚だ疑問

 

ではあります(笑)

……とはいえ、リメイク版では実際に徒歩で日本に帰っているわけで、となると、

 

どうやってドラえもんたち一行は徒歩で日本に帰れたのでしょう?

 

徒歩だととにかくのび太が体力皆無だし、白亜紀で恐竜が普通にいる時代で、肝心のひみつ道具は流されて無い状態、こんな最悪な状況でどうやって最後まで歩けたのか?

考えられる仮説を挙げてみることにします。

仮説① タイムパトロール隊に日本付近まで送って貰った

映画終盤でタイムパトロール隊に何も言わずに出立したというドラえもん一行ですが、

 

実は日本列島近くまでタイムパトロールに送って貰っていた

 

ということは、考えられるでしょう。

のび太の家に直行というわけではなく、あくまで東京の近くの徒歩圏内まで送って貰い、そこから歩いて帰ったのです。

近くまで送ったついでに、タイムパトロール隊がドラえもんたちに敬礼してそのままお別れしていたわけですね。

が、この仮説はそれまでのジャイアンたちの会話から考えると、ちょっと可能性は低いです。

仮説② 実は黒マスクの基地が日本付近だった

北アメリカから出発したドラえもんたちの冒険、タケコプター飛行中にケツァルコアトルスという翼竜に襲われ、黒マスクに助けて貰った辺りがまだまだ現在の北アメリカ付近かと思いきや、実はその時点で既に、現在の日本付近だったという可能性があります。

つまり、

 

黒マスクの基地が日本列島辺りにあった

 

のです。

実際に基地は日本付近にあるのに、黒マスクは恩着せがましく、

「日本まで送ってあげよう」

と言っていたということですね。

原作では、

 

藤子・F・不二雄、小学館「大長編ドラえもんVOL.1 のび太の恐竜」151ページより引用

と言うドルマンスタイン言葉から(旧作も同様)、黒マスクの基地は北アメリカ付近だと思っていましたが、新作ではそういったセリフが一切無いので、基地が日本付近だったという可能性は否定できません

黒マスクの基地が現在の日本列島付近だったと考えれば、場所にもよりますが、東京ののび太の家まで小学生の足でも、1~2週間前後くらいでしょうか。

そのくらいだったら冒険の終着点の目途はつくし(ジャイアンは「いつ着くかわからねぇぞ」と言っていましたが)、最初に文句を言っていたスネ夫や体力の無いのび太でも、

「日本の近くなら誰の力も借りずに最後まで頑張れるかも…」

と思えたかもしれません。

仮説③ のび太が少しでも長くピー助と一緒にいたかった

黒マスクたちとの戦いも無事に終わり、タイムパトロールに日本の東京に送って貰ったら、そこはピー助とのお別れの場所になります。

 

のび太がピー助と少しでも一緒にいたかったから、

 

あえて徒歩で日本に帰ることにしたということも、大いに考えられます。

そもそも、のび太の体力の無さは旧作・新作でも折り紙付きで、本作ののび太を見ている限り、それは本人も自覚しているようです。

どこでもドアやタケコプターが流されてしまった状態で、普通に考えればのび太含め全員が、

「のび太が歩いて日本に帰るのは難しい」

とわかることですし、元来怠け者でもあるのび太ですから、徒歩での帰国は相当にきつかっただろうと推測できます。

それでもあえて、徒歩で日本に帰ることにしたのは、タイムパトロール隊に送って貰うことで一気にピー助とのお別れが間近に迫ることより、愛情を持って育てたピー助とより長く一緒にいられるよう、あえて徒歩という過酷な道を選んだのです。

ドラえもんやジャイアンたちは、そんなのび太の心情が痛いほどにわかったからこそ、危険な道のりを一緒に歩いてくれたのでしょう。

日本に帰りたい気持ちも大きいけど、そうなると刻々と近付くピー助とのお別れに気付いていたのび太は、心中とても複雑だったと推測できます。

まとめ

物語のラスト、どうやってドラえもん一行が徒歩で日本に帰れたのか、3つほど仮説を立ててみました。

そもそも黒マスクの基地の場所が日本付近だったという説がリアルだと有り得そうですが、

仮説③の「のび太がピー助と少しでも一緒にいたかった」説だと、ラストののび太の切ない表情の意味が納得

できて、余計に切なくなってしまいます。

原作・旧作を見た後だと、今回の新作リメイク版では終盤タイムパトロールに日本まで送って貰わないことが逆に不自然に思えてしまっても、仮説②や③だと考えると、納得ができる点も出てくるから不思議ですね。

*「のび太の恐竜」タイムマシン考察記事は、こちらから。

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*リメイク版「のび太の恐竜2006」の感想記事は、こちらから。

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「のび太の恐竜2006」は、泣ける映画ドラえもんでも有名です。

ブルーレイ版もあります。

 

 

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