【映画ドラえもん感想】「のび太の恐竜2006」の感想! 原作・旧作映画とも比較してみた

 

2004年にドラえもんシリーズの旧声優陣の方々が勇退され、声優から作画から全て一新されたスタッフで制作された新ドラえもん映画の一作目が、「のび太の恐竜2006」です。

本日は、「のび太の恐竜2006」を原作や旧作映画と比較しながら、つらつら感想を述べていきます。

 

*以下、映画のネタバレがあるのでご注意ください*

 

映画ドラえもん のび太の恐竜2006

1980年に公開された「のび太の恐竜」のリメイク映画です。

声優さんも全て一新され、良い意味で今どきの子どもたち向けの作品となっています。

大まかに旧作と比較してみながら、感想を述べます。

声優も全て一新

最初に申し上げたように、リメイク版では声優さんも一新されています。

当初、大山のぶえもんで慣れてしまっていた私は失礼ながら新声優陣の「ドラえもん」に違和感がありましたが、聞いている内に今ではすっかり慣れましたね。

特にドラえもん役の水田わさびさんはのぶドラからの後継でプレッシャーが大きかったようですが、ご本人の努力でそれらプレッシャーを全て跳ね返したように思います。

のぶドラ大ファンの私も、この水田さんの努力には「凄い!感動した!」 の一言です。

また、とにかくピー助が可愛い「のび太の恐竜」。

1980年版ではドラミちゃんでお馴染みのよこざわけい子さんが担当、2006年版では神木隆之介さんが担当されています。

まだ小さい頃の神木さんボイスのピー助が本当に可愛くて、それだけでピー助が愛おしく感じるほどです。

黒い男(今作では黒マスク表記)の船越英一郎さんは、まさに「最高!!」の一言ですね。

黒い男は原作や1980年版の黒い男よりもリアルイケオジになり、船越さんの悪役声で更にリアルガッツリ悪イケオジになったことで、最高の悪役キャラになりました。

演技力のある俳優さんだと、声だけの演技でも違和感がないので聞いていて安心できます。

ドルマンスタインは、旧ドラえもん映画シリーズでも悪役キャラを何度か演じていらっしゃった、内海賢二さんでした。

渋味のある声が堪らん感じになっています。

ゲストの芸能人枠は劇団ひとりさんが5役ほど演じていらっしゃったようですが、ほとんどが一言だけだったりの端役で物語の大筋に関わる人物ではなかったので、それほど違和感はありません。

ギャグ要素が増える

当初からのぶドラの時よりもギャグ要素が多いわさドラですが、「のび太の恐竜2006」でも同じくギャグシーンが多くなっています。

ドラえもんのあったかーい目…から始まり、キャラたちのコミカルな動きや顔の表情まで、今までにはなかったドラえもんたちが見られるようになっています。

今の世代の子どもたち向けにコミカルシーンが増えているのはまぁ時代の流れから良いとして、それでもたまにキャラの顔面やキャラ自体が設定から崩れている時があり、そこは正直、「ちょっと変だな…」という印象が否めませんでした。

わさドラから入っている現在の子どもたちはコミカルシーンで楽しんでいるようなので、単純にのぶドラからファンになっている私が慣れていなかっただけの話なのですが(苦笑)、のぶドラとわさドラを切り離して見ていると案外すぐに慣れてしまうもので、わさドラのコミカルシーンも今では子どもと一緒に楽しんでいます。

もちろん、残念ではありますが現在は色々と規制がかかっているため、静香ちゃんの全てを見せたシャワーシーンはカットされています。

増した悪役たちの残虐性

原作・旧作ではそこまで演出されなかったドルマンスタインや黒い男の悪の所業ですが、今作の2006年版では更に詳細に彼らの所業が演出されました。

白亜紀に重油を垂れ流し、銃をそこらにぶっ放している黒マスクは序の口として、ドルマンスタインが様々な恐竜を剥製にし、ムチで叩いて恐竜を虐待し、子恐竜を売買のために捕獲している様は、大人から見ても残酷で可哀想なシーンでした。

彼らの非道っぷりを表現するための演出とはいえ、子ども向けのアニメなので、そこはもう少しマイルドな表現でも良かったのかなとも思います。

終盤で、実はドルマンスタインも黒マスクもハゲていたというコミカルなシーンがあったので、そこで少し中和されましたが。

藤子・F・不二雄、小学館「大長編ドラえもんVOL.1 のび太の恐竜」168ページより引用

ちなみに原作では、黒い男の方がてっぺんはげの設定でした。

作画がおかしい?

特に中盤から酷くなりますが、なぜか今作のドラえもんは全体的に線が揺れているような感じです。

先程も少し申し上げましたが、キャラの顔面がおかしかったり、序盤と終盤で顔が違う雰囲気になっていたり、明らかに変でした。

全ては映画を観ているかのようなカメラワーク演出なのかもしれませんが、見ていて違和感を感じるレベルの線画の揺れだったので、どうしても気になります。

現在のデジタル作画技術はやはり綺麗で、白亜紀の背景など見応えがあって非常に素晴らしいのに、細かい所でいちいちキャラの顔が揺れてしまうので、イマイチかつ残念としか言いようがありません。

「もう少しなんとかならなかったのかな…」と、心底首を傾げたくなります。

のび太のヒーロー化

個人的に、新ドラえもんの映画シリーズでは共通のツッコミ所となっているのが、無駄なのび太のヒーロー化です。

映画では普段よりもカッコ良くなることで有名なのび太(とジャイアン)とはいえ、ご存知の通り、のび太の基本スペックは非常に低いです。

運動神経0、体力皆無ですぐにヘバる、とにかくドジ、勉強はできないけどひみつ道具を悪用する悪賢さがある等、30分枠のアニメではそんなのび太の短所を大いにさらけ出していますが、映画になると主に体力的な短所がリセットされてしまう現在の映画の風潮には、正直違和感しかありません。

本作では、運動神経0で力もなく全く泳げないのび太が、黒マスクの基地から脱出する時、なぜか水中でドラえもんをサポートして脱出成功させたりしています。

ここは本来ならば、ジャイアンの出番だったのでは…?

また、仲間の中で体力が一番なくてすぐに歩けなくなるのび太なのに、ラストは徒歩で日本まで歩いて帰ったりと、のび太の基本スペックから矛盾させている点がどうしてもおかしいと感じてしまいます。

火事場の馬鹿力と言われればそれまでですが、新ドラえもん映画シリーズでは特にその傾向が顕著で、毎回ツッコミを入れてしまいます。

*物語のラスト、ドラえもんたちがタイムパトロールに頼らなかった理由の考察記事は、こちらからどうぞ。

【映画ドラえもん考察】「のび太の恐竜2006」で、なぜドラえもんたちは最後にタイムパトロールを頼らなかったのか?

最大の相違点はエンディング

「のび太の恐竜2006」は、全体としてはそつなくまとめ上がった感じなのに、原作・映画旧作共に最大の見せ場である最後のエンディングシーンを改悪(改変ではなく、あえて改悪と表現)したのは、ファンとしてはガッカリを極めに極めています。

こちらの記事でも語っていますが、

【大長編・映画ドラえもん感想】ドラファンが「のび太の恐竜」を語り尽くす!

「のび太の恐竜」はとにかくエンディング、のび太がピー助と別れた後、部屋で一人思い出のボールを抱き、ピー助を想うシーンが感動的なシーンなのです。

昨今よく見かける感動のゴリ押しなんかではない、自然な演出でじんわり泣ける、ドラえもん映画史上屈指の名シーンです。

 

そのシーンを、丸ごとカットって!!(怒)

 

というか、直前のピー助とのび太の別れの尺が長すぎなんですよね…。

すっごくどうでもいい余談なんですが、リメイク版でのび太が泣くのを堪え始めてからタイムマシンを出発するまでのピー助とのお別れの時間は、およそ3分30秒

旧作でのお別れシーンは、ピー助がタイムパトロールのタイムマシンを見送るまで、約2分10秒

その後のび太がボールを抱き締めてピー助を想うのび太のシーンは、約50秒

…てことは、

 

お別れシーンを少しカットすれば、大事な名シーンを物語の最後に入れられたのに!!

 

確かにこの別れのシーンは、「のび太の恐竜2006」の中で一番泣ける最大の見せ場ではあるので、尺的に多くの時間を割くのは致し方のないことと理解はできるのですが、おかげで、のび太がボールを抱いてピー助を想う、原作・旧作の最大の名シーンを丸ごとカットされたんじゃ、旧来のファンとしては、「残念過ぎる…」という感想しか出てきません。

(とか言いながら、のび太が一生懸命ピー助を振り切って別れたあのシーンは、私も映画館で号泣してしまったんですけどね…。あの演出は泣きますよ…)

スタッフロールの時に原作のコマを出すだけでは寂し過ぎだよなぁと、原作・旧作を見てきたファンからすると、どうしてもガッカリしてしまうのです。

全体的には上手くまとめた のび太の恐竜2006

…と、ここまで原作・旧作と比較しながらの感想は批判的なものばかりになってしまいましたが、細かい部分を全部無視して全体的に見ると、リメイクながら無難にまとめたなぁという感想です。

私のような旧作からのファンではなく、このリメイク版がドラえもん映画初の方は、大いに楽しめるのではないかと思います。

旧作よりもギャグシーンが多いので小さなお子さんでも笑えるシーンはたくさんありますし、実際に私の子どもたちもちょっとしたギャグで大笑いしています。

最初のピー助との別れでは3歳の子が泣いてしまうほどに、感情移入もできる映画です。

エンディングは(私的に)改悪されてしまいましたが、のび太が卵を孵化させるために布団にくるまっている時の父とのび太の会話は原作にも旧作にもないもので、父親が子どものことを理解していることがよく伝わる、良いワンシーンだと思います。

また、スキマスイッチさんの主題歌「ボクノート」が最高に映画に合っていましたね。

旧作の映画シリーズは藤子先生がお亡くなりになってからの主題歌が残念なものばかりだったので、今作は久しぶりに映画の内容とよく合う主題歌で、とても良かったです。

まとめ

原作・旧作からのファンが見るとおかしいと感じてしまう細かい点がそこらにありますが、全体的には原作・旧作から上手にリメイクできている、「のび太の恐竜2006」です。

大人が見ると泣けるシーンも何回かありますが、お子さんのドラえもん映画デビュー作には持ってこいの作品ですよ。

 

*「のび太の恐竜」のタイムマシン考察記事は、こちらから!

【大長編・映画ドラえもん考察】「のび太の恐竜」で、ドラえもんはなぜタイムふろしきを使用しなかったのか?

*原作の大長編・1980年映画版の「のび太の恐竜」の名言ランキングはこちらから!

【大長編・映画ドラえもん】「のび太の恐竜」名言ランキング!

*旧作とも比較した、新ドラシリーズによる映画第4弾「新・のび太の宇宙開拓史」の辛口感想記事はこちらから。

【映画ドラえもん感想】「のび太の新・宇宙開拓史」の感想! 原作・旧作映画とも比較してみた

 

「のび太の恐竜2006」は、新ドラえもん映画シリーズ第一作目です。

ブルーレイ版もあります。

1980年公開の旧作は絵柄は現在だと古いかもしれませんが、じんわり泣ける超名作です。

原作の大長編シリーズと比べてみても面白いですよ。

 

 

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