【FF7R考察】ジェノバ細胞は感情も読み取れる? クラウドがティファやザックスの感情を読み取ったのか、仮説も含めて徹底検証してみた

 

ジェノバの擬態能力は「記憶」だけかと思いきや、実は「感情」も読み取れるのか?

クラウドの中のジェノバ細胞が、ティファやザックスの感情も読み取っていたのか、仮説を立てて徹底検証してみました。

 

*以下、FFⅦ 、FFⅦREMAKEのネタバレがあります! FFⅦ及びFFⅦREMAKEを未プレイの方はご注意ください*

 

ジェノバの擬態能力とは?

そもそも、ジェノバとは何か?

ジェノバは、星に衝突しそのエネルギーを食らう行為を繰り返す、宇宙生物です。
およそ2000年前、FFⅦの舞台となっている星に衝突したことが、この物語の全ての始まりです。

 

エアリスの祖先であるセトラの民族は、ジェノバからウイルスを植え付けられ、多くの同胞がモンスターにされたと言われています。(イファルナ談)

 

では、セトラを絶滅寸前にまで追いやった宇宙生物ジェノバの持つ擬態能力とは何なのか?

この擬態能力の内容が、本記事のポイントですね。

まずは参考として、FFⅦの解説本でもある解体真書から見てみましょう。

 

他人の記憶に合わせて自分の姿、声、言動を変化させる能力

 

ファイナルファンタジーⅦ 解体真書 ザ・コンプリートより引用

 

解体真書では、「感情」までコピーできるとは記載されていません。

 

では、解体真書よりも後に発売されたアルティマニアオメガではどうでしょうか。

 

シェノバは、他者の記憶や感情を読み取り、それに合わせて外見や声、言動を変化させるという「擬態能力」を持つ。

 

ファイナルファンタジーⅦ アルティマニアオメガより引用

 

アルティマニアオメガでは、他者の「感情」を読み取ることができると記載されています。

 

はて、一体どちらでしょうか?

 

このような物語の重要ポイントに相違があると、我々ファンも混乱してしまいます。

なので、検証するにあたり、今回は複数ある解説本にはなるべく頼らず、原作のFFⅦ本編、関連作品、リメイク版のFFⅦの物語の中のみを参考にして、検証していきます。

セフィロスの証言

ジェノバの擬態能力について、原作FFⅦでのセフィロスはこう言っています。

 

「他人の記憶に合わせて自分の姿、声、言動を変化させるのは、ジェノバの能力だ」

 

本編のセフィロスは、「感情」を擬態するとは言っていませんね。

クラウドの証言

では、ジェノバ細胞を植え付けられた当の本人であるクラウドは、どのように言っているか。

 

「大見栄きった村を出たのに、ソルジャーになれなかった俺……」

「それを恥じた弱い俺は、親友だったザックスから聞いた話……」

「更に自分で見たことを混ぜ合わせて幻想の自分を創り出した……」

 

クラウドも、「ザックスから聞いた話」を元に幻想の自分を創り出したと言っていますが、「ザックスの感情」も擬態していたとは言っていません。

 

ここまでだと、

ジェノバに関係するFFⅦ主要人物の二人、その二人が「感情」を読み取るとは言っていないので、「感情」までは読み取らないと言えるのではないか?

と考えられますが、更に検証していきます。

クラウドは誰の記憶を読み取ったのか?

次に、

 

ジェノバ細胞を受け付けられたクラウドが、誰の記憶を読み取ったのか?

 

という問題です。

 

これは、本編を見ればティファであることは間違いないです。

 

FFⅦインターナショナル版では、ティファが七番街スラム駅でクラウドと再会するシーンが追加されています。

駅員に同情されながら、

 

「うう……」

「うぁああ……」

「う……あ……ああ」

 

と座り込んで呻いているクラウドの姿は、まだ魔晄中毒なのだろうと考えられます。

(北の大空洞で行方不明になったクラウドが、ミディールで発見されて再び魔晄中毒になった時と同じ症状と呻き声を上げている)

そこにティファが声を掛け、腰を屈めることで、二人はようやく目が合ったように見えます。

次の瞬間、

 

「あ……ぁ……ティファ……?」

「ティファ……?」

「ティファ!」

 

ノイズが入りながらも、段々とクラウドの意識が覚醒していく様子がわかります。

おそらくティファと目が合った瞬間に、クラウドの中のジェノバ細胞が反応し、ティファの記憶にある「クラウド」を読み取ったのでしょう。

ティファの記憶にある「クラウド」はニブルヘイム出身の少年で、クラウド自身はまさしくニブルヘイム出身の本物の「クラウド」だったわけですが、そこで上記のクラウドの台詞にあるように、ソルジャーになれなかった自分を恥じる気持ちから、

 

ソルジャーだった「ザックスから聞いた経験談」を元に、自分の経験も混ぜ合わせ、“幻想の自分”を創り出した

 

のです。

元々はコミカルだったり素直だったりする本来内気なクラウドが物語冒頭からクールなのは、自分が理想とするソルジャー像、英雄セフィロスへの憧れ、本来の素の自分も複雑に絡み合った結果だったわけですね。

ティファの「記憶」を読み取ったクラウドは…

では、肝心の「感情」の擬態についてです。

インターナショナル版を見る限り、魔晄中毒だったクラウドは偶然再会した「ティファの記憶」を読み取ったと考えられますが、仮にこの時、クラウドの中のジェノバ細胞が「感情」を読み取るならば、目の前にいる「ティファから読み取った感情」でしょう。

 

「感情」なんて抽象的なものをどのように読み取り、どのように擬態・表現されるかは全く不明ですが、ここは検証するのにわかりやすく、「ティファとクラウド間の気持ち(感情)」に焦点を当てて考えます。

 

そしてその気持ちは、

仮説①「ヒーローに憧れていた“ティファが”、クラウドを想う感情」

だったのか、それとも

仮説②「ティファが理想とする“クラウドが”、ティファを想う感情」

だったのか、どちらだったのでしょうか?

仮説① 「ティファがクラウドを想う感情」を読み取った

仮説①の場合から検証していきましょう。

【FF7考察】クラウドとティファの関係は? 物語の最後、最終決戦前には二人は恋人関係になっている?

こちらの記事にも書いたように、原作本編でのティファはクラウドと幼馴染と言いながらも実際は近所なのに全く仲良くなく、一緒に遊んだ記憶がないほどでした。

しかし、給水塔でのかの約束を交わした後、クラウドがミッドガルに発ってから彼を急激に意識するようになったティファ。

クラウドの記事が新聞に載っていないかチェックするようになり、5年前のニブルヘイム事件時も、金髪のソルジャーはいないかとザックスに尋ねてしまうくらい、クラウドのことは気にかけていたようです。(CCFF7参考)

 

そんなティファのクラウドに対しての好意的な「感情」を読み取っていた

 

とすれば、どうでしょうか。

精神年齢16歳の男が、美人・胸大きい体型良し・性格良し・料理上手の女性から好意的に思われているとわかれば、男ならそりゃあ絶対に惚れるわ!と思えて仕方ありません。

恋愛経験の少ない男性ならば、自然とそんな女性に対して好意的に思う率は高いでしょう。

ティファの感情を読み取ったことで、クラウドが無意識下で「ティファの理想のクラウド」を演じていたとすれば、尚更です。

そういえばリメイク版でも、本編と比べるとクラウドはティファに優しく接している…?

★リメイク版のクラウドとティファの関係は? クラウドがティファに優しい?

【FF7R考察】ティファの性格が変わった? リメイク版ではクラウドとティファの親密度が更にアップ!

 

しかし!

この説が正しいとすると、なんだか急にクラウドとティファの関係が薄っぺらいものに感じてしまうんですよね…。(個人的には、ですけど)

更に仮に、本来のクラウドがティファに対して初恋の感情があったとしたら、なんとも言えない違和感を感じるというか。

原作本編を見てみても、クラウドが本来の自分を取り戻した後もティファの好意には気付いているはずなのに、クラウドはティファを意識することなく、混乱している様子もありませんしね。

決戦前夜もエアリスの好感度が高い状態で行けば、特に何もなく終わるわけで。

ここまでだと、

 

釈然とはしないけど、絶対に有り得ない!と断言できる確証がない説

 

なのかな、というのが仮説①の印象です。

 

…一応言っておくと、正直FFⅦ本編もリメイク版においても、「クラウドの初恋の人はティファ」という認識は、プレイヤーに委ねていると思います。

なんといっても好感度システムを採用して本編ではエアリスやユフィ、バレットともデートできる分岐がある以上(リメイクでもそれぞれ決意イベントがありましたし)、そこはあくまでプレイヤーが自由に解釈して良い、ということだと私は捉えています。

本編の精神世界を見ても、「ティファが初恋の人」なのか、「村の人気者ティファに認めて貰うことで承認欲求を満たそうとした」のか、「ティファが初恋でも気持ちが持続していたわけではない」とか、そこは本当に人それぞれの解釈なので、絶対的な正解はありません。

もし確実に「クラウドの初恋の相手がティファで一途に想い続けていた」のであれば、制作陣はもっとわかりやすくそのように描写します。

それこそ、エアリスがザックスに抱いた感情をはっきりと言葉で演出したように、もしくは、10のティーダとユウナの関係を演出したように。

仮説② 「クラウドがティファを想う感情」を読み取った

では、仮説②です。

こちらは少々ややこしいのですが、クラウドのジェノバ細胞がティファの記憶を読み取った際、

 

「ピンチの時にはヒーロー(クラウド)が助けに来てくれると信じ、そんなクラウドは自分のことを好意的に感じているはず」というティファの気持ちを読み取り、クラウドからティファへの「好意的な感情」をクラウドが擬態していた

 

という仮説です。

この仮説が正しいとすれば、こちらもリメイク版でのクラウドがティファに対して優しく接していたのも、簡単に頷けます。

「クラウドは私が好き」

という、ティファの気持ち=感情をジェノバ細胞が読み取れば、

「俺はティファが好き」

と自然とクラウドも思い込むでしょう。

 

しかし!

こちらの説は、本来の宇宙生物ジェノバの能力を考えると、まず有り得ないでしょう。

そもそも空から来た災厄=ジェノバは、対象の相手にウイルスを植え付けるために、相手の大切な人に擬態する能力があります。

例えば、ジェノバがAを狙ってウイルスを植え付けたい場合。

ジェノバはAの記憶からAの家族や大切な人Bの姿に擬態し、声も変えてAを油断させ、ウイルスを植え付けるわけです。

この時、Aの記憶に基づいて「BがAを好きである」という感情まで取り込んでしてしまうと、Bに擬態したジェノバは、「感情」に邪魔されてウイルスを植え付けられなくなります。

星のエネルギーを食らうことが目的のジェノバの擬態能力は、あくまで相手を油断させ滅ぼすためのものであり、そこに感情を読み取る能力は不必要なのです。

むしろあったら星に住む生物を滅ぼすことができない、邪魔なものです。

これは、クラウドにも植え付けられたジェノバ細胞にも当たり前に同じことが言えるわけで、よって、

 

仮説②は有り得ない

 

と断言できます。

ティファもクラウドが自分のことを好いているとか、そんなこと考えていなさそうですしね。

「ザックスの感情」を読み取ることは可能なのか

これまでで、

「ティファの感情を読み取ることは有り得ない」とは言えない

と判明し、未だジェノバ細胞が「感情」を読み取れるか否かが曖昧なので、次の仮説を持って更に検証していきます。

次の仮説は、

 

「クラウドがザックスの感情を読み取った可能性はあるのか」

 

です。

本編インターナショナル版を見れば、クラウドがティファの記憶を読み取って「元ソルジャーのクラウド」の人格を創り出したことはほぼ確実ですが、ごく僅かな可能性として、

 

クラウドが「ザックスの記憶」を読み取り、「元ソルジャーのクラウド」を創り上げた

 

と考えることも、できなくもないです。

CCFF7のラストでは、息を引き取る寸前のザックスがクラウドの頭を抱いた後に、

 

「俺の誇りや夢、全部やる」

 

と言い残しています。

この時、クラウドの中のジェノバ細胞が反応し、「ザックスの記憶」、更に「感情」を読み取ります。

ザックスの記憶では、クラウドは一般兵。

ソルジャーになりたかったのに一般兵にしかなれなかったクラウド自身の経験や記憶もここで複雑に絡み合い、上記のクラウドの台詞にあるように、「ソルジャーになれなかった自分を恥じて」、“幻想のクラウド”を創り出したのです。

そして、バスターソードを持ってミッドガルへ…。

ちなみにこの時、クラウドは

 

「ありがとう。忘れない」

「おやすみ――ザックス」

 

と言いながらも、本編ではキレイサッパリとザックスのことは忘れています。

これは、「“幻想のクラウド”でいるためには本物のソルジャーだったザックスの存在が都合悪かったから」なのだろうと推測できます。

(ティファの記憶を読み取って“幻想のクラウド”を創り上げたのであれば、この台詞を言った時のクラウドはまだまだ絶賛魔晄中毒中ということなのでしょう)

 

その状態で、果たして「ザックスの感情」も受け継いでいるのか?

 

次は、ザックスの「記憶」と「感情」を媒体にして創り出した偽人格クラウドが、本当にザックスの「感情」を取り入れているのかを、ポイントを絞りながら、リメイク版を中心に検証します。

★リメイク版ザックスは生きているのか?を考察した記事は、こちらから。

【FF7R考察】ザックスとジェシーは生きている?

ティファとの再会時

既に「元ソルジャー・クラス1st」の肩書きを背負って、七番街スラムでティファと再会したであろうクラウド。

この辺りはまだリメイク版では再現されていないので検証不可能ですが、少なくとも本編インターナショナル版を見る限り、言わずもがな少々おかしな所がありますね。

 

「うう……」

「うぁああ……」

「う……あ……ああ」

 

って、偽人格完成後のはずなのに、この時点でまだ駅員さんに同情されちゃうレベルで何やら呻いてますからね。

ちなみに、ティファに対しても多少なりとも「ザックスの感情」が作用していてもおかしくありません。

ザックスとティファはニブルヘイム事件の時に知り合い、CCFF7を見ると二人はメールを交換する仲にもなっています。

ザックスも「クラウドとティファの間で何かあったのかな?」くらいの認識は持っていたでしょうが、元々ザックスは陽キャラで明るい性格なので、ティファに対して変な感情は持っていなかったでしょう。

そこに実際に同郷であるクラウドの記憶も合わさったことで、クラウドはティファに対して、気心を許した優しい態度で接している、と考えることもできます。

八番街でエアリスに会う

「ザックスの感情」が入っていれば、もちろん彼と大いに関わりがあったエアリスに対しては、特別な感情が溢れ出てもおかしくありません。

 

原作では女好きながらも、そこそこ仲良くなった女性。

CCFF7では恋人とも間違われてもおかしくないほど仲良くなり、かつミッドガルに帰ろうと決断させた女性。

 

そんな彼女と会った時、クラウドの中にザックスの感情があるなら、何かしらザックスを思わせる反応があるはずです。

が、

「面倒だな」

 

まさかの塩対応。

 

しかも、花を買うのも普通に断れる選択肢が出ます。

クラウドの中のエアリスに対して好感情の「ザックスの感情」があるなら、無意識にサラッと買ってしまうのでは……?

ここで「クラウドの中にザックスがいる」という伏線を持たせるならば、花を買わない選択肢を出す必要もないはずなんですけどね。

教会でエアリスと再会

ジェシーたちアバランチの面々とはザックスは面識がなく「元々持っている感情」は動きようがないので、再び彼と接点が深いエアリスとの交流に焦点を当てます。

伍番街の教会は、ザックスにしてみても思い出深い場所です。

エアリスと初めて出会った場所であり、辛い時もここに来てエアリスに慰めて貰ったり、エアリスを守ったり。

そんな思い出のある場所で、ザックスの時と同じ状況で、好感情を抱いていた女性と再会できれば、クラウドの中の「ザックスの感情」は存分に反応してもおかしくありません。

しかし、リメイク版では特に「ザックスの感情!?」を思わせるような演出はなく、もっと言えば、「運命的な再会!」を思わせる伏線めいた発言・演出すらもありませんでした。

ボディーガードを簡単に引き受けたのは「ザックスの感情」があるのなら自然の流れですが、タークスのレノと対面した時に何かしら反応がなかったのも少々おかしいなと思います。

ザックスはレノと作品中ではさほど関わりはないですが、ツォンやシスネとは大いに関わりがあったわけで、彼らと同じ制服を着ているレノを見ても、「ザックスの感情」は何も反応しないんですかね。

全体的に会話を見ていると、この教会でのシーンはクラウドの中に「ザックスの感情」があるとは、ちょっと考えにくいです。

伍番街スラムへ

エアリスとの行動が続くチャプター8は、クラウドの中に「ザックスの感情」があるならば、それこそCCFF7のようにもっと急速に二人の仲が縮まってもおかしくないですが、そんなこともありません。

原作の序盤で見られたクラウドが声を出して笑う演出はリメイク版ではカットされましたが、むしろ「ザックスの感情」があるなら、声を出して笑うシーンはあった方が今後の伏線としては大いに頷けます。

ザックスなら、普通にエアリスと笑い合えちゃうシーンですものね。

伍番街でのクエストを全部こなすことで見られる、エアリスとのイベント。

ここだけは唯一、花に話しかける優しいクラウドの姿も見られたので、「ザックスの感情」が出ていると言われても不思議ではありません。

ただ、私個人はここは「本来の素のクラウド」が見せる優しさも垣間見えた良シーンだと感じていたので、そこも全て「ザックス」に括られるのは、正直作品全体がつまらなくなるなとも感じました。

陥没道路

夜中にエアリスの家を抜け出したクラウドは、エアリスに待ち伏せされ、

「もっと 一緒にいたいから」

と、エアリスらしいと言えばエアリスらしい、彼女の真っ直ぐな言葉を正面から聞きます。

この直後、クラウドはエアリスの後姿を見ると同時に頭痛が起きたクラウドに、明らかな変化が現れます。

この後姿、ジェノバ細胞が「ザックスの記憶・感情」を取り入れているなら、CCFF7のエンディングから思い起こさせるものかとも考えましたが、よく見れば違うと断言できます。

 

手。(指)

 

口を開ける。

 

涙…?(わかりずらいですが、瞳から一筋の涙が出ています)

 

そうなんです。

これは原作でエアリスが命を落とした時にクラウドが言う、あの台詞なのです。

 

「指先がチリチリする。口の中はカラカラだ。目の奥が熱いんだ!」

 

ですね。

映像の順番もまさに原作クラウドの台詞を思わせる演出そのままなので、このシーンは明らかに、原作のあのシーンをオマージュしています。

クラウドがなぜエアリスのあのシーンの幻影を見たか、そこは現時点ではまだ理由はわかりませんが、なんにせよこのシーンに関しては紛れもなく「クラウドの」記憶?感情?未来予知?なので、ザックスが入り込む余地はありません。

エアリスの決意イベント

最後に、「ザックスの感情」が一番に出やすいであろう、エアリスの決意イベントを検証してみます。

「好きにならないで」

「そうだとしても 気のせいだよ」

が印象的な、エアリスの決意イベント。

こんなこと言われて、「ザックスの感情」が反応するなら、どうするでしょう?

 

「エアリス俺のこと好きだったの!?」

「俺も好きだ! ……だから気のせいじゃないって!」

「なんでそんなこと言うんだよ!?」

 

なんて所でしょうか?

CCFF7を見ていると恋人のように親しいわけだし、原作設定でも決してエアリスのことは嫌いではなかったようだし(エアリスが恋だと思えたくらい、ザックスとは良い関係だったため)、エアリスに「好きにならないで」なんて言われたら、「ザックスの感情」は否定的な意見が出るのが自然でしょう。

こういった「ザックスの感情」が、クラウドの

「ずいぶん 一方的だな」

に繋がったと考えることも可能です。

★エアリスの「好きにならないで」を考察した記事は、こちらから。

【FF7R考察】エアリスの台詞「好きにならないで」の意味

ゴンガガ村でのイベント

神羅ビル脱出以降のイベントは、再び原作を参考にしていきます。

この後のイベントで一番気になったのは、ザックスの両親と会話することで見られるエアリスとの会話選択肢です。

ザックスの故郷であるゴンガガ村では、連絡の取れなくなった息子を案じるザックスの両親と会話ができますが、その時にエアリスかティファをパーティーに入れておくと、直後の会話で好感度に関連する選択肢が出てきます。

では、ザックスと深い関わりのあったエアリスとの会話を見ていきましょう。

ザックスの両親の話を聞いて、様子がおかしくなったエアリスに話しかけると、

 

「いつか話さなかった? わたし、初めて好きになった人」

「…………」

「ザックス……ソルジャー・クラス1st。クラウドと同じ」

「クラス1stなんて何人もいないはずだ。でも俺は知らないな」

「別に構わないの。昔のことだしね。ただ、行方不明だから心配なだけ」

「行方不明?」

「5年前かな。仕事で出掛けてそれっきり。女の子が大好きなヤツだったからね。どこかで知り合った子と仲良くなっちゃったのよ、きっと」

 

ここまで話した後、

 

「あれ? どうしたの?」

 

というエアリスの言葉を受けて、

 

・それは心配だな

・(やきもち……しっと……)

 

の選択肢が出てきます。

もちろん嫉妬を選べばエアリスの好感度が上がるのですが、この選択肢を見ると「ザックスの感情」がクラウドの中にあるとは思えません。

 

エアリスが明らかに動揺していたって、ザックスがエアリスに「嫉妬」をする必要なんて無い

 

からです。

ザックスにしてみれば、自分が行方不明になったことをエアリスは心配してくれているわけで、そこに「嫉妬」の感情が入り込むとは考えにくいです。

そうするとそんな「ザックスの感情」に作用されているクラウドの選択は、嫉妬ではなく、

 

「それは心配だな」

 

の一択になります。

行方不明になっているエアリスの初恋の人=自分(ザックス)に向けた心配ではなく、目の前で自分(ザックス)を心配してくれているエアリスに向けての心配、というわけです。

(つまり、残る選択肢の「嫉妬」が、本当のクラウドが感じた気持ちということに……?)

 

しかし、原作の会話選択肢は全てプレイヤー次第なので、「心配だな」を選択したからと言ってそれが「ザックスの感情」によるものとは断言できませんが、

 

ザックスと深い関係のある場所で、ザックスと深い関わりのあったエアリスとの会話中、明らかに「ザックスでは有り得ない」選択肢が用意されていることを考えると、会話選択肢は単純にクラウド=プレイヤーの好みによる選択ということになり、「ザックスの感情」はクラウドと無関係

 

ということになるでしょう。

★エアリスが好きなのはザックス? クラウド?

【FF7R考察】エアリスが好きなのはザックスか、クラウドか

制作陣のコメントを参考にしてみる

原作でのゴンガガ村での会話を見ると、明らかにクラウドと「ザックスの感情」は無関係でしたが、最後に制作陣のインタビューを参考にしてみます。

制作陣の方々のインタビューはある意味作品に対しての直接的なメッセージなので、大いに参考になるからです。

記述に大きな相違点のある解説本は当てにしないよう、記事の冒頭で「解説本にはなるべく頼らない」と宣言しましたが、制作陣のインタビューだけはリメイク版アルティマニアを参考にさせて頂きます。

実は、ここまで長々と「ジェノバ細胞は感情を読み取れるのか」を検証してきましたが、答えはインタビューに全てあったんです。

制作陣のコメントでは…

リメイク版では、

 

素のクラウドを出すことを意識していた

 

と制作陣の方々は仰っていて、素のクラウドとは、5年前に魔晄中毒になってから時が止まってしまった精神年齢が16歳のクラウド君のことです。

クラウドがカクテルを持って「…綺麗だ」と呟くのも、その一例。

カッコつけた結果イマイチ決まらなかった……という16歳の少年を表現したそうです。

制作陣の方々がこだわった、素の16歳クラウドが垣間見える「カッコ悪いクラウド」の演出は、ティファの決意イベントでも同様です。

泣き出すティファを、ギュッ…と抱き締めるクラウド。

これも16歳のクラウドには泣いて胸トンしてくるティファにどう対応していいかわからず、その前にバレットが大人の包容力でティファを抱き締め慰めていたのを思い出し、バレットの真似をして抱き締めてみたけど、上手くいかない不器用なクラウドを演出した……というのが、制作陣による裏話でした。

また、クラウドを演じる声優さんに、ティファ、エアリス、ジェシーに対しての演技指導を行っており、ティファには「少し素がでる」、エアリスには「カッコつけてる」、ジェシーには「戸惑いが見える」ようにと、事細かに指示していたとのこと。

これらのお話を鑑みると、

 

明らかにクラウドの中にザックスの感情はありません。

 

もしクラウドの中にザックスの感情が入り込んでいるなら、制作陣もそこはあえてぼやかすでしょう。

原作からそんな事情があるなら、「実は偽人格だったクラウド」という設定の根幹を成す重要裏設定になりますし、更にリメイク版では、「16歳の少年が時たま素を垣間見せながらカッコつけている」主人公というのが最大の見所でもあるので、クラウドにザックスの感情が入り込めば、もう少し違うクラウド像になっているはずだからです。

再び、エアリスの決意イベントでは…

更に再び、エアリスの決意イベントです。

「好きにならないで」

と言うエアリスの印象的な台詞は、シナリオライターの野島氏の発案で入れたもので、これは原作を知っている前提で見れば、「グッ」とくる台詞だと思って入れたそうです。

確かに、「グッ」ときました(笑)

これは、エアリスがクラウド自身に対して「好きにならないで」と言っている点が、我々ファンの心を大いにくすぐるのです。

クラウドとエアリスが徐々に打ち解け合っている中、原作通りに未来が進めばエアリスは必ず亡くなってしまうわけで、そんなエアリスから「好きにならないで」なんて意味深な台詞が出てくるから、それはもう切ないシーンになるんです。

これが、

もしそうなっても 気のせいだよ(あなたの中の「ザックスの感情」が私を好きなだけだから、クラウドの本当の気持ちではないよ)

だったら、どうでしょう。

 

「アンタの気持ちは私の初恋の人の気持ちやで」

 

と宣言し、原作通りにエアリスが命を落とし、本来の自分を取り戻した後のクラウドがこの時のエアリスの言葉を思い出して、

 

「あ、そっか。俺がエアリスのこと好意的に思ってたのは、ザックスの気持ちだったのか」

 

とすんなり納得すれば、

 

そんなの1ミリも「グッ」とくるお話にはなりません。

 

この場合で「グッ」とくるのは、

 

「これはザックスの感情なんかじゃない! 俺自身が、エアリスのことを好きだったんだ…!」

 

という展開です。

この野島氏の話だけならば、(少なくともリメイク版においては)「ザックスの感情をクラウドが読み取っていた」という仮説が成り立ちます。

が、他の制作陣のコメントでも全て、上記に書いたようにあくまで「16歳のカッコ悪いクラウド」を表現することに意識したとのこと。

とすれば、やはり偽人格とはいえクラウドは「クラウド自身」であり、ザックスの感情なんて入り込んでいないのです。

結論:ジェノバ細胞は、感情を読み取らない

長くなりましたが、結論はこうなりました。

要は、

  1. 本来の宇宙生物ジェノバの擬態能力は、「感情」を読み取る必要がない
  2. 原作・リメイク版において、重要場面で「ザックスの感情」が作用していないであろうシーンが多い
  3. 制作陣によれば、リメイクは「16歳の素のクラウド」を表現することを意識した

という理由で、

 

ジェノバ細胞に「感情」を取り込む能力は無い

 

と言えます。

更に付け足せば、

 

クラウドの中のジェノバ細胞は、ティファ及びザックスの感情を取り込んでいない

 

とも言えるでしょう。

「ティファの感情」はともかく、ジェノバ細胞が「ザックスの感情」を読み取っている前提ならば、「16歳のカッコ悪いクラウド」ではなく、また「別のクラウド」になっているはずだからです。

つまり、原作インターナショナル版にあるように、クラウドの中のジェノバ細胞が読み取ったのは、「ティファの記憶」だったのです。

私の認識としては、“ジェノバ細胞”が“ティファの記憶”を読み取ったことで、“本物のクラウド”が“幻想のクラウド”を創り出したのであって、“本物のクラウド”はティファやザックスの“記憶”や“感情”を擬態していません。

リメイク版でクラウドがティファに優しいのも“本物のクラウド”だし、エアリスに「好きにならないで」と言われて「随分 一方的だな」と返すのも“本物のクラウド”だった、ということですね。

創り出された“幻想のクラウド”でありながら、“精神年齢16歳のクラウド”が垣間見えてしまうのは原作でもさり気なく演出されていましたが、リメイク版では表情や声も細かく表現できるようになり、更に“本来のクラウド”がわかりやすく見られるようになって、改めてプレイしてみると非常に面白いですよ!

 

制作陣のインタビューが掲載されているのは、リメイク版アルティマニアです。

 

 

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