FFⅦ 関連の作品において、クラウドとティファは本当に幼馴染だったのか?を考察していきます。
*以下、FFⅦの重大なネタバレがあります! FFⅦ関連のゲームを未プレイの方はご注意ください*
クラウドとティファは幼馴染?
FFⅦでは、原作はもちろんのこと、リメイク版でも、ティファのキャラクター紹介では「クラウドの幼馴染」と紹介されています。
反神羅組織のメンバー。
~中略~
気持ちが揺らぐ中、幼馴染のクラウドと再会する。
リメイク本編でも、
「クラウドは ケンカばかりしてたからね」
と、ティファがクラウドの子どもの頃?を語ったりしているので、幼少期の二人はそこそこ仲が良かったよう感じにも受け取れます。
が、しかし!
原作をプレイした方ならご存知の通り、クラウドとティファは幼少期、
家は近所でも一度も遊んだことがない関係でした。
「家は近所なのに、私……クラウドのことあまり知らなかったんだよね。
ずーっと小さなころから仲良くしてたと思ってたのに……。
そういえば……クラウドが私の部屋にいる風景って記憶に……ない。
いっしょに遊んだ記憶も……ない。私のクラウドとの思い出はいつでも星空の給水塔が始まり……」
原作でのティファのこのように言っていて、彼らの思い出は、本編7年前の給水塔での約束しか無かったのが真実です。
(厳密に言えば、「本当の」クラウドはそれ以前にもティファとの大事な思い出はありましたが、肝心のティファは何も覚えていませんでした)
これが、原作発売当時から二人が「幼馴染詐欺」と言われた理由です。
では、そもそも幼馴染とは何なのでしょうか?
幼馴染とは
「幼馴染」の意味を調べてみると、
幼馴染(おさななじみ)は、幼い頃に親しくしていた友達を言う。本来は同性・異性を問わない、いわゆる「竹馬の友」を指す言葉である。
幼馴染-Wikipediaより引用
幼い頃から仲が良い人、あるいは物心ついたときからの顔馴染みなどを意味する表現。
幼馴染とは何? Weblio辞書より引用
子供のころに親しくしていたこと。また、その人。
幼馴染の意味-goo国語辞書より引用
有名なwebページを挙げてみましたが、共通しているのはやはり、
幼い頃に仲が良かった
という点でしょうか。
確かに、私個人がすぐに思い浮かべる幼馴染同士のキャラも、
- 「タッチ」の朝倉南と達也・和也兄弟。
- 「金田一少年の事件簿」の金田一一と七瀬美雪。
- 「名探偵コナン」の工藤新一と毛利蘭。
- 「FF12」のヴァンとパンネロ。
…あたりなんですよね。(世代モロバレ)
そう考えると、クラウドとティファは、幼少期に一度も遊んだことがない関係という事実を踏まえると、
幼馴染とは言い難い関係
と言えます。
★実は幼馴染とは言い難いクラウドとティファの関係は?
【FF7考察】クラウドとティファの関係は? 物語の最後、最終決戦前には二人は恋人関係になっている?顔見知りなら幼馴染?
しかし、私の知人は、
「幼稚園くらいの年齢からずっと同じ学校の同級生だったら、幼馴染と呼ぶ」
と言っていたので、知人のような考えだと、クラウドとティファの関係でも立派に幼馴染という関係が成立します。
同郷で、家も近所で、一緒に遊んだことはないけど顔見知り。
リメイクでは、幼少期のティファがクラウドに声を掛けている回想シーンも追加されたこともあり、
幼少期からの顔見知り=幼馴染
という考えであれば、クラウドとティファのような関係でも、当然ながら幼馴染と呼べます。
なんだかこの辺りは、人によって曖昧ですね。
クラウドの秘密のために
では、少し視点を変えてメタ的発想で考えてみます。
FFⅦの見所のひとつは、
かつてはソルジャーでクールな主人公のクラウドが、実は元ソルジャーにはなれず挫折を経験した一般兵士だった
という事実です。
当時、物語中盤までは誰もがクラウドを元ソルジャーという肩書きだと信じてプレイし、しかし途中で覆されるその事実に驚愕したプレイヤーは多かっただろうと思います。
では、なぜ当時我々プレイヤーは、クラウドの真実に驚愕したのか?
それは、ティファの存在があったからです。
「元ソルジャーの肩書き」はクラウドの自称でしたが、その事実は、「幼馴染」のティファの存在によって裏付けされていました。
幼少期に仲が良かったであろう幼馴染関係のティファと、本編7年前に「ソルジャーになる」という約束を交わしていたことで、
クラウドの「元ソルジャーの肩書き」が我々プレイヤーに揺るぎない真実だと、無意識に植え付けられていた
のです。
なので、
キャラクター紹介でクラウドとティファを「幼馴染」だと紹介することは、メタ的な発想で言えば仕方のない
こととも言えます。
要は、ここがゲーム中最大のネタバレになっているので、まさか紹介部分で、
「実は一度も遊んだことがない全く仲良くなかった同郷の二人」
なんて紹介してしまえば、我々プレイヤーは初っ端から、
「クラウドと全く仲良くなかったのに、どうしてテロ活動である壱番魔晄炉爆破作戦に誘ったの?」
となります。
ただの同郷の顔見知り程度の知り合いで、クラウドになんでも屋として割り切って危険な仕事を紹介するなら、その分キッチリ報酬を用意しておくのが筋ですが、原作では報酬をバレットのへそくり=一人娘のマリンの養育費から出させ、リメイク版でもティファは報酬の支払いまでフィルター交換の集金(アバランチの資金源)という形でクラウド自身に手伝わせており、これではどう見てもティファが非常識人間に見えてしまいます。
「集金を手伝ってくれたらね」
…って、「命の危険まである仕事をした後なのに酷くないか?」と突っ込んだのは、私だけではないはず…(笑)
★第3章の集金イベントをツッコミながら考察!
【FF7R考察】ティファはクラウドの話をどこまで聞いていたのか? 原作との違いを細かく挙げながら、第3章を考察してみる Part2
が、ここはあくまで、二人が同郷の幼馴染であり、慣れ親しんだ関係という前提があるからこそ、ティファがクラウドに甘え、クラウドがティファの手伝いをしても、不自然さを少しでも和らげることができます。
そもそもリメイクのクラウドは、特に伍番街スラムのなんでも屋の仕事ぶりを見ている限り、依頼は報酬の内容関係なく引き受ける性格のようですからね。
更に、この序盤では7年前の約束の回想シーンもあります。
思春期クラウドとティファによる、故郷ニブルヘイムの給水塔での約束のシーンですね。
原作ではティファから約束を迫り、リメイク版ではクラウドが自ら約束を思い出して、結果的にクラウドも伍番魔晄炉への作戦に参加することになりますが、序盤はこの回想シーンも加わって、クラウドとティファは「幼馴染」であり、ティファというクラウドの過去を知る人物がいるからこそ、
元ソルジャーの主人公・クラウドのキャラを、あたかも真実として際立たせることができている
のです。
リメイク版では不自然な点を修正
しかし、キャラ紹介で二人を「幼馴染」表記にするのは致し方のないことだとはいえ、現実の二人は違いました。
クラウドはティファや周りの友達と遊びたかったけど、素直でない性格が原因で一緒に遊ぼうとも言えず、次第に性格がひねくれていきます。
ティファの方も、実はクラウドと一緒に遊んだ記憶がありませんでした。
原作ではこの表現が特に顕著で、一緒に遊んだことがない相手なのになぜ突然に将来「ヒーロー」になることを約束させたのか?とか、(ティファにとっては)7年ぶりの再会した顔見知り程度の相手なのになぜテロ活動に勧誘したのか?など、実は幼馴染ではなかったティファの行動がおかしなものに見えてしまいます。
この辺りは、リメイク版ではキッチリ修正してきましたね。
キャラ紹介では変わらず「幼馴染」表記ですが、ゲーム中ではクラウドもティファを「幼馴染」とは言わず、「古い友達」と言っています。
(幼い頃に友人が欲しかったのにいなかったクラウド君、この時の「友達」という言い方が少しぎこちなく聞こえるのは、そのせいなのでしょうか…)
そしてティファの方も、
クラウドを「同郷の友達」と呼ぶ表現に変わっていて、お互いにはっきり「幼馴染」だとは言っていません。
彼らを幼馴染だと言っているのは、第三者であるビッグスくらいです。
キャラ紹介での「幼馴染」表記はネタバレの観点から致し方のない部分があるとして、ゲーム本編では、原作の頃より揶揄されていた「幼馴染詐欺」のことも踏まえ、当人同士はあえて「幼馴染」という台詞を言わないようにしたのだと感じます。
また、クラウドが自ら思い出す過去の映像では、
幼いティファがクラウドを呼んで「また無視した」と怒っていることから、もしかしたらティファの方は一緒に遊ぼうとしていた?かもしれない描写が追加されました。
このシーンがあることで、二人は幼い頃も多少は接点があったことがわかり、特に新規プレイヤーは給水塔での約束も超絶不自然には見えなくなったのではないでしょうか?
原作プレイヤーはどうしてもネタバレ内容を知っているので、「あぁ修正してきたな」程度の認識でしょうけど…。
また、そもそもテロ活動に友人を誘って良いものなのかという論点は置いといて、ティファは過去の話(ニブルヘイム事件など)に食い違いがあったけれども、それをクラウド本人に確かめるのが怖くて、アバランチの仕事を紹介することで側で彼を見ていたかったという心情があったからこそ、壱番魔晄炉爆破作戦に勧誘しています。
単純に「幼馴染で仲が良かった」だけでアバランチの仕事を紹介していないのですが、この点も、
序盤では絶対に明かしてはいけないネタバレに繋がる部分
なので、現時点ではおかしいなと思うのも仕方のないことでしょう。
2周目やネタバレを知った上でプレイすると、序盤のティファの言動や行動が「えぇ…?」と思うことが多々ありますが(特に原作ではティファ自らクラウドを「幼馴染」と言う場面が多いので)、リメイク版ではその不自然さを和らげようとする制作陣の意図を感じました。
続編でも更なる修正点がある?
リメイク版では、クラウドとティファの幼馴染設定の違和感や不自然さを和らげようとしていると感じますが、続編でも更なる変更点があると予想しています。
原作では、本編前に駅で再会したティファの独白で、
「希望どおりにソルジャーになったこと。
セフィロスの事件をきっかけにやめてしまったこと。
何でも屋をやっていること……。
ニブルヘイムを出てからのこと いろいろ話してくれたけど……」
と言っていて、既にクラウドから故郷の村を出てからの経緯を聞いていたことが窺えますが、リメイクで版は、
「村を出てからのこと 聞きたいな」
と、クラウドの口からまだこれまでの詳しい経緯を聞いていないことがわかります。
その後にEXチャートで、ティファが村を出てからのことをクラウドから聞き出そうとしますが、クラウドはソルジャーになってからのことを詳しく話せず(なったことがないから当たり前)、ティファも気を遣って話はそのまま終わるので、結局彼の経緯は語られぬまま…。
となると、
ティファは、クラウドとの過去の話の食い違いに、いつ本格的に気付いたのでしょうか?
クラウドがエアリスから貰った花をティファにあげた時も、
「5年ぶりだ 少しは変わるさ」
と言うクラウドの台詞には「え?」という短い返事で、小さな違和感くらい感じていたのは窺えるのですが、大きく動揺はしていないようにも見えます。
原作では、
「過去の話の食い違いについてクラウドに本当のことを聞くのが怖くて、だけど側にいたかった」
ことが、ティファがアバランチの仕事をクラウドに紹介した本当の理由ですが、リメイクでは、「実は親しい幼馴染関係とは言えなかった二人」であることを終盤になって違和感を感じさせなくするために、過去の話をクラウドからまだ詳しく聞いていないことにしているのか…?
なんにせよ、クラウドから村を出てからのことをティファが序盤の時点でまだ聞いていないなら、続編では本編の足掛かりとも言える壱番魔晄炉爆破作戦への参加動機が変わることは、大いに有り得ます。
下の記事で考察していますが、おそらくティファは既にクラウドから話を聞いています。
★ティファはクラウドからどこまで話を聞いていた? 第3章をツッコミながら考察!
【FF7R考察】ティファはクラウドの話をどこまで聞いていたのか? 原作との違いを細かく挙げながら、第3章を考察してみる Part2
追記!
→REMAKE発売より一年後、2021年に出版されたFF7シナリオライター野島氏書き下ろしの小説「Traces of Two Pasts」では、
ティファの母親が亡くなる前まで、クラウドとティファはよく遊んでいた
という文言がありました。
ティファがニブル山で遭難したことがきっかけで遊ばなくなり、それ以前は家が隣同士だったこともあり自然と行き来があったとのことです。
ティファ自身も幼馴染とは思えないくらいクラウドとの思い出は少ないと自覚している、としながら、明らかに原作の頃より表現が変わり、「幼い頃は遊んだことがある」とすることで、原作時より言われた「本当は幼馴染ではない」と言われた揶揄を和らげようとしているのかな、と感じました。
まとめ
「幼馴染」という意味を改めて調べてみると、原作設定における一般的な感覚では、
クラウドとティファは幼馴染とは言い難い関係
でした。
ただし、ネタバレの観点からキャラ紹介で双方を「幼馴染」と表現するのは致し方のないことであり、原作では互いに「幼馴染」と言って不自然な場面も多々あった所を、リメイク版においては当人同士は「幼馴染」ではなく「友達」程度の表現に留めていたりして、「実は二人が幼馴染ではなかった」ことの不自然さを和らげています。
こうして「幼馴染」の意味を改めて調べてみると、残念ながらクラウドは故郷では友達らしい友達がいませんでしたが、ティファはよろず屋の息子くん含む、取り巻き3人組の男子の方が、よっぽど幼馴染と言える関係ではありますね。
彼ら取り巻き3人組と会えればティファにとっては本当の幼馴染との再会になりますが、原作においてはその後の彼らの消息は不明なので、リメイク版では彼らの処遇も地味に気になりますね。
★再会のお祝いはティファも初めてだった? 第3章ティファExイベントをツッコミながら考察!
【FF7R考察】マーレさんの「ティファと仲良くするんだ」の意味とは? 原作との違いを細かく挙げながら、第3章を考察してみる Part3
ティファの幼少期が描かれた短編小説では、彼女の本当の幼馴染たちが登場します。
マテリアルアルティマニアは、設定資料などの情報が半端ないです。
こちらは攻略本代わりになります。
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