【金田一少年の事件簿】「飛騨からくり屋敷殺人事件」巽龍之介と巽征丸、義兄弟の出生の秘密に迫る! 征丸は本当に双子だったのか?

 

金田一少年の事件簿の「飛騨からくり屋敷殺人事件」で、義兄弟である巽龍之介と巽征丸の出生について考察します。

 

*以下、最初から最後まで「飛騨からくり屋敷殺人事件」のネタバレ(犯人等)が全開なので、未読の方は要注意*

 

巽龍之介と巽征丸、出生の秘密

金田一少年シリーズの「飛騨からくり屋敷殺人」に登場する巽龍之介巽征丸は、義兄弟です。

龍之介の父、巽蔵之介の後妻になった巽紫乃の連れ子が征丸で、蔵之介と征丸が養子縁組したことで、正式に兄弟になりました。

(さとうふみや/金成陽三郎、講談社「金田一少年の事件簿」単行本版11巻31ページ)

こちらは巽龍之介さん、こう見えてまだ未成年の18歳です。

両親は名家である巽家の先代、巽蔵之介と巽綾子…ではなく、仙田猿彦と、巽紫乃

18年前、龍之介を出産した病院で、実母である紫乃が巽家の本当の息子だった征丸と龍之介を交換したことで、二人の人生はそのまま入れ替わってしまいました。

男に逃げられ貧しかった紫乃の元ではなく、奥飛騨の名家である巽家の長男として、龍之介は何不自由なく育てられたのです。

(さとうふみや/金成陽三郎、講談社「金田一少年の事件簿」単行本版11巻15ページ)

対して、こちらは巽征丸さん。やはりこう見えて未成年の18歳です。

征丸こそ名家巽家の正当な長男であり、正真正銘、当主だった巽蔵之介と綾子夫妻の子でした。

母と信じた紫乃によって人生が入れ替わり親子二人で暮らしていましたが、柴乃が実子である龍之介会いたさに征丸の本当の生家でもある巽家の使用人になり、更に当主の蔵之介の後妻になったことで征丸も正式に蔵之介と養子縁組をして、何の因果か無事(?)に巽家の息子に戻ることになりました。

紫乃親子が巽家に入ったことで、龍之介はじめ、巽家長女の巽もえぎ、次男の隼人とも義兄弟になった征丸。

巽家三兄弟とは折り合いが良くなかった征丸らしいですが、

彼の出生の秘密と、特に同い年だった龍之介との関係

に迫ってみます。

龍之介が兄、征丸が弟

龍之介と征丸は同じ18歳。

生まれた順番としては戸籍では龍之介の方が先だったのか、同い年でも龍之介が兄になります。

(さとうふみや/金成陽三郎、講談社「金田一少年の事件簿」単行本版11巻20ページ)

嫌味なのか、征丸がここぞという場面で「龍之介兄さん」と呼んでいるので、戸籍上では征丸が「弟」なのでしょう。

 

が!!

 

ややこしいですが、これはあくまで戸籍の話であって、

 

現実は綾子が出産した征丸が兄で、紫乃が出産した龍之介が弟

 

になります。

二人の実母である紫乃と綾子はほぼ同時期に出産しており、たった一日でも、征丸の実母である綾子の方が先に出産していたということですね。

1997年に放映されたアニメによれば、綾子が出産した新生児(征丸)のベッドには、

 

  • 体重3570g 身長48㎝
  • 昭和54年5月3日生まれ
  • 午前4時20分?出生(字が小さくて判別微妙)
  • 医師 山本総合病院
  • 助産婦 田中ユキ子

 

とあり、征丸と、これより僅かに遅れて産まれた紫乃が出産した龍之介が、5月生まれだったことがわかります。

医師の名前が山本総合病院なのは、単なるミスなのかわざとなのか、それとも紫乃たちが出産した病院名が山本総合病院なのか…。

今は助産師さん呼びですが、当時はまだ助産婦さんと呼んでいる時代だったことも窺えます。

原作連載時である1994年の漫画を見てみると、

(さとうふみや/金成陽三郎、講談社「金田一少年の事件簿」単行本版12巻54ページ)

現在の産院と違い新生児室?にめちゃくちゃ赤ちゃんが並んでて、壮観ですね。

これだけ赤ちゃんがいると、助産師さんの目も誤魔化しやすくなるのでしょうか…。

(どうでもいいけど、当事者の赤ちゃんの隣の赤ちゃんの眉毛が凛々しくて素敵です。笑)

この時、紫乃にとって幸運?だったのは、

 

先に綾子が出産し、しかもその赤ちゃんが男児だった

 

ことです。

綾子が既に男児を出産していたから、紫乃の嬰児交換が可能になりました。

逆を言えば、綾子が先に男児を出産していたから、後に「飛騨からくり屋敷殺人事件」が始まってしまうわけですが…。

征丸は本当に双子だったのか

「飛騨からくり屋敷殺人事件」では、赤沼三郎を名乗る人物が巽家に現れ、赤沼が紫乃の子だと主張してきた、という話を聞けます。

(さとうふみや/金成陽三郎、講談社「金田一少年の事件簿」単行本版11巻64ページ)

その際、紫乃の口から実は征丸が双子であったことも聞きます。

しかし、金田一少年の推理通り、実は赤沼という男は紫乃と共犯の仙田猿彦によって作られた架空の人間であることが判明し、よって、征丸は本当は双子ではなかった?と思いがちですが、

 

おそらく征丸は本当に双子だった

 

可能性が高いです。

正確に言えば、紫乃が出産した子=龍之介が双子でした。

★「異人館ホテル殺人事件」で登場する双子の姉妹は、不幸なすれ違いが事件の始まりでした。

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記録に残る手続きがある

もし、紫乃の「征丸は双子だった」証言が虚偽であれば、どうしてもバレてしまう要素があります。

それは、

 

戸籍

 

です。

妊娠22週以降の死産であれば、赤ちゃんの死亡届が必要になります。

酷なことですが、出生届も必要で命名もしなければならず、同時に死亡届を出す形になるのです。

つまり戸籍に記録が残るということで、紫乃が双子を出産していないなら、戸籍を確認すればすぐに虚偽がバレてしまうことになります。

紫乃の証言によれば、

「生まれた時に死産だった」

ということで、後述しますが紫乃は正産期(妊娠37~41週)前後に出産したと考えられるので、つまり22週以降の死産になり、確実に赤ちゃんの死亡届が必要です。

(さとうふみや/金成陽三郎、講談社「金田一少年の事件簿」単行本版11巻66ページ)

紫乃の証言により実際にオランウータン似の刑事が捜査を命令し、後に何の矛盾描写もなかったことから、おそらく紫乃の証言に嘘偽りはなく、本当に紫乃は過去に双子を出産していたのです。

病院のカルテは廃棄されていたとしても、役所で戸籍の記録を確認できたというだったのでしょう。

そもそも、「紫乃が出産したのが本当は双子ではない」のに、「双子だった」と警察に証言したら、後の捜査ですぐに真実が明るみになるので簡単にバレる嘘はつくはずはありません。

つまり、

 

紫乃自身が本当に双子を出産していたという経験があった

 

からこそ、「赤沼三郎」という架空の人物を作り上げ、赤沼として征丸の遺体処理を警察に任せる、という大胆な計画を立てられたというわけです。

(さとうふみや/金成陽三郎、講談社「金田一少年の事件簿」単行本版12巻53ページ)

産後の紫乃のこの様子を見ると、初産で双子を出産してしかも一人が死産していたようには見えにくいけど、子どもが出来た途端にパートナーだった猿彦に逃げられ途方に暮れていたくらいだから、憎い綾子を見かけた後では、余計に無事に生まれた自分の子の不幸な境遇に絶望していただけなのかもしれません。

唯一残る謎

紫乃は実際に双子を出産していた。

となると、アニメ版では謎がひとつだけ残ってしまいます。

それは、

 

紫乃が産んだ龍之介の出産時の体重

 

です。

多胎児であれば、一人一人の大きさは単胎児に比べて小さめに産まれてくることが一般的で、しかしアニメ版では綾子の子は3500g超えの大きめの赤ちゃんです。

仮に双子を出産した紫乃の子が2000g前後だったと仮定してもその差は歴然、いくら顔が似ていたとしても、赤ちゃんを交換したらその大きさで即座にバレることは間違いないです。

新生児ちゃんの1000g差は大きく、2000gと3500gの赤ちゃんであれば泣き声も違ってくるもので、万が一初産の母親にはわからなくても、プロの助産師さんなら見た目等ですぐ違いにわかるはずです。

新生児といっても、髪の生え具合や身体の大きさ等生まれた瞬間から赤ちゃんも見た目がそれぞれ違うので、よく似た赤ちゃんでなければ、そもそも嬰児交換は成立しません。

 

では、どうして紫乃は嬰児交換しても周囲にバレなかったのか?

 

これは完全な推測ですが、現在は多胎児であれば医師の管理の下で帝王切開で出産するのが通常になっていますが、例えば当時はまだ今ほどエコー技術が発達していなかったので、妊娠後期まで双子と気付かずに出産前に初めて双子だと判明し、死産してしまった赤ちゃんが育っておらず龍之介だけが育っていた…。

ということが、可能性のひとつとして考えられます。

しかも、3500gの征丸と交換出来たのだから、龍之介も3500gとまではいかなくても出産時の体重は3000gは超えていたはずで、そこまで大きくなれたということは、

 

順調に正産期前後まで母体のお腹の中にいた

 

ということになります。

(さとうふみや/金成陽三郎、講談社「金田一少年の事件簿」単行本版12巻51ページ)

紫乃の回想では、この時はまだ双子を妊娠しているとは知らなかったのか、既に知っていたのか、ちょっとわかりにくいですね。

病院には「出産のために訪れた」と紫乃が言っているので、この時病院にいたのは妊婦健診ではなく、双子を出産するための入院手続きだったということも考えられます。

どちらにせよ、子どもの父親に逃げられ途方に暮れていたくらいだから、妊婦である紫乃も無意識に悲壮感が漂ってしまっていたのかもしれません。
(お腹の子が双子だと知っているなら、双子が良くない、という意味ではなく、貧しいのにこれからどうしよう…という意味合いで)

まとめ

「飛騨からくり屋敷殺人事件」で、義兄弟の巽龍之介と巽征丸の秘密について、考察してみました。

紫乃と綾子は同時期に妊娠し、僅かでも先に綾子が出産、遅れて紫乃が出産していますが、戸籍的には龍之介が兄になっています。

また、征丸は本当は双子ではなかったと思いきや、

紫乃は本当に双子を出産していた

と考えられます。
(紫乃の実子である龍之介が双子だった)

嬰児交換は現代の産科病院ではほぼ有り得ない事案だと思いますが、70年代でこのようなことが有り得たのか…真面目に考えると、かなり怖いですね。

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「飛騨からくり屋敷学園殺人事件」は、金田一少年シリーズ第9話です。

犯人視点のスピンオフ漫画は完全ギャグです。

 

 

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