今や国民的アニメになったドラえもんの中で、大長編ドラえもんシリーズを考察していきます。
第一回目はもちろん、シリーズ第一作目の「のび太の恐竜」から、タイムふろしきについて考察します。
大長編ドラえもん のび太の恐竜
大長編ドラえもん一作目「のび太の恐竜」は、1980年に映画公開されました。
この作品は2006年にも新声優さん方でリメイクしています。
*リメイク版「のび太の恐竜2006」の感想記事は、こちらから。
【映画ドラえもん感想】「のび太の恐竜2006」の感想! 原作・旧作映画とも比較してみた
物語は、恐竜らしき卵の化石を見つけたのび太が、タイムふろしきを使って卵を元通りにしてから孵化させたフタバスズキリュウのピー助を可愛がる所から、本格的に始まります。
それからなんやかんやあって、約1憶年前の白亜紀、まだ恐竜がいた時代をドラえもんたちが冒険するというお話です。
*「のび太の恐竜」については、こちらで存分に語り尽くしています。
【大長編・映画ドラえもん感想】ドラファンが「のび太の恐竜」を語り尽くす!*「のび太の恐竜」の名言ランキングです。
【大長編・映画ドラえもん】「のび太の恐竜」名言ランキング!*「のび太の大魔境」バウワンコ王国の考察記事は、こちらから。
【大長編・映画ドラえもん考察】「のび太の大魔境」バウワンコ王国の生活レベルが5000年間も向上しなかった理由とはタイムふろしきとは
タイムふろしきは、風呂敷のような布で被せることで対象物の時間を戻したり進めたりすることできる、究極の若返り兵器未来のひみつ道具のひとつです。
ドラえもん作品の中では、メジャーなひみつ道具でもありますね。
今作品でもこのタイムふろしきを使い、化石だった卵を元の状態に戻し、のび太は見事に卵を孵化させています。
つまり、
タイムふろしきのおかげで物語が始まった
と言っても過言ではありません。
そのくらい、(大長編シリーズでは特に)貴重な効果と重要な役割がある道具なのです。
なぜ、ドラえもんはタイムふろしきを使わなかったのか
なんやかんやあり、ドラえもんたちが白亜紀に到着した所でタイムマシンが壊れてしまいます。
ここで、単純な疑問。
なぜドラえもんは、タイムふろしきを使ってタイムマシンを直さなかったのでしょうか?
汗水垂らして工具を持って必死に直すよりも、タイムふろしきを使えばあっという間に直せるはずです。
しかも、物を直すという機能ならば、同じひみつ道具の中に復元光線というものもあり、こちらもタイムマシンが壊れた時点で大いに活用できる道具ですが、ドラえもんは使用していません。
タイムマシンが壊れてしまったせいで狂暴な恐竜もいる白亜紀という時代を冒険することになったのに、ドラえもんはなぜ、タイムふろしきを使わなかったのか?
考えられる仮説を挙げていきます。
仮説① 壊れていた
そもそも、タイムふろしき自体が壊れていた
ということは有り得ます。
同じく、復元光線も壊れていたと仮定しましょう。
一度、物語の冒頭で化石の卵を元通りにするのにタイムふろしきを使用していますが、この時に壊れてしまっていてそのまま修理をしていないと考えれば、タイムマシンが壊れた時にドラえもんがタイムふろしきを使わないのも納得できます。
タイムふろしきで一億年も前に卵を遡らせたせいで、簡単に壊れてしまったのでしょう。
最初からタイムふろしきには頼れないという状況を把握していたので、ドラえもんも最初から焦っていたのです。
仮説② 存在を忘れていた
次に考えられるのは、
ドラえもんがタイムふろしきの存在を忘れていた
という仮説です。
ドラえもんは慌てたり焦ったりすると、
「あれでもない、これでもない!」
と、ポケットから目的の道具をすぐに取り出せず、何の関係もない普通の道具ばかり取り出してしまう習性?があります。
(藤子・F・不二雄、小学館「大長編ドラえもんVOL.1 のび太の恐竜」131ページより引用)
物語後半、プテラノドンの群れに襲われた時も、ドラえもんは慌て過ぎて、役に立たない道具ばかり出しています。
(この時はなぜか、キッチン用品ばかりでした)
そんな慌てん坊なドラえもんなので、タイムマシンが壊れてしまった時に脳内がパニックになり、「あれでもないこれでもない」状況とは若干異なりますが、焦った頭のせいでタイムふろしきのことがスッポリ頭から抜けていたというのは、考えられなくもないです。(ロボットの割に残念な頭脳人間っぽ過ぎる)
ならばせめて、物語の後半で反撃にひらりマントを使った際にでも、同じような形態のタイムふろしきの存在を思い出して欲しかったですけどね。(既に時遅しですが)
仮説③ あえて直さない
これが一番恐ろしい仮説です。
タイムふろしきを使えばすぐに現代に戻れることをわかっていながら、
のび太の成長を見守るという大義名分のために、あえて直さずにいた
という、完全にドラえもんがヤバイ奴だった説です。
結果的に運良く全員助かったものの、一歩間違えれば恐竜の餌になっていたかもしれないので、もし本当にあえて直さなかったとするらば、ドラえもんとっては本当に大きな賭けだったとも言えます。
こう考えると、のび太の成長を見守るためならなんでもする、毒親のようにも見えますね。
のび太のためならば、タイムマシンが壊れた時に一人になった時も汗水を垂らす演技を忘れず、常に焦った振る舞いをするイカれたロボット完璧な子守りロボットです。
(藤子・F・不二雄、小学館「大長編ドラえもんVOL.1 のび太の恐竜」56ページより引用)
この焦りようも、全て演技だとしたら……と考えると、逆に恐ろしいですね。
まとめ
なぜドラえもんがタイムふろしきを使わなかったのか、3つほど仮説を立ててみました。
個人的には、
仮説①の「壊れていた」が一番有力
のように感じます。
ドラえもんのひみつ道具は壊れやすいのが定番ですから、メチャクチャ迷惑どうしてもピンチに陥りやすくなりますね。
タイムふろしきはとても有用なひみつ道具だけに、壊れてしまうと本当に大変な局面を迎えることになるという、最もわかりやすい実例を出してくれたワンシーンでもありました。
*「のび太の恐竜」については、こちらで存分に語り尽くしています。
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控えめに言って最の高です。
原作の大長編シリーズも名作です。
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