【金田一少年の事件簿】「雪夜叉伝説殺人事件」犯人の雪夜叉はメインのトリックをいつ、どのように作ったのか?

 

金田一少年の事件簿の「雪夜叉伝説殺人事件」から、犯人の雪夜叉と、雪夜叉が行ったこの事件のメイントリックについて考察します。

 

*以下、最初から最後まで「雪夜叉伝説殺人事件」のネタバレ(犯人等)が全開なので、未読の方は要注意*

 

犯人「雪夜叉」とは

(さとうふみや/金成陽三郎、講談社「金田一少年の事件簿」単行本版3巻136ページ)

正体は綾辻真理奈。

ターゲットだった4人全員を手にかけ、見事?に悲願を達成しました。

動機は、母親を見ごろしにされた復讐です。

幼少期、飛行機事故で運良く命が助かった綾辻ですが、バラバラになった機体に挟まれ動けない母親が目の前にいながら、子どもの綾辻が助けを求めていたのに救助活動を一切せずに無視していたのが、この事件の被害者たちでした。

結果、まだ子供の綾辻の目の前で母親は機体の下敷きになり、彼女は復讐を誓うのです。

とてもどうでもいい余談ですが、綾辻さんはこの事件当時でまだ成人したての20歳。

(さとうふみや/金成陽三郎、講談社「金田一少年の事件簿」単行本版3巻116ページ)

金田一少年からは「年の離れたアネキ」扱いされているけど、実際には金田一少年と大して年齢差はありません

なのに、社会人がみっちり板についたこの落ち着きよう……真理奈、恐るべし。

「雪夜叉伝説殺人事件」のメイントリック

(さとうふみや/金成陽三郎、講談社「金田一少年の事件簿」単行本版4巻87ページ)

氷橋(すがばし)です。

谷底の川を挟んで車で片道20分の距離にある、向かい合った別荘を行き来する際、犯人はこの氷橋をこっそり作って渡ることで、鉄壁のアリバイを手にしました。

氷橋は、北海道開拓時代に実際に使用されていた技術です。

しかしこの氷橋、漫画で見てるだけでは「おぉ~」で終わりますが、犯人側から見ると、作るのが重労働過ぎて女性ならば尚更、絶対に避けたいトリックでもあります。

(船津紳平/さとうふみや/金成陽三郎/天樹征丸、講談社「犯人たちの事件簿」2巻14ページ)

犯人側視点をコメディタッチに描いたスピンオフ漫画でも、氷橋をつくる際、綾辻がかなりご苦労された様子がこれでもかというほどに表現されています。

しかしコメディタッチとはいえ、実際にこのくらい(これ以上かも)苦労はしていたでしょうね。

女性が、一人で、極寒の北海道の真夜中に、吹雪の中、たった数時間で氷橋をつくらなきゃいけないなんて、地獄かよレベルの酷い仕打ちです。

原作では、「谷川からくみ上げた水を雪にかけていく」――という金田一少年の台詞しかないですが、これを現実に実行するとなると、

(船津紳平/さとうふみや/金成陽三郎/天樹征丸、講談社「犯人たちの事件簿」2巻12ページ)

そりゃそうじゃ、とオーキド博士の如く頷きたくなる表現です。

「犯人たちの事件簿」はスピンオフギャグ漫画ですが、結構この描写はガチだろうな、と思わざるを得ません。

犯人は鍛えていた?

男性だって大変な作業だろうに、女性では尚更キツイ超重労働の氷橋つくり。

更に、なんとか氷橋をつくり終わっても、次は隠しカメラで撮影されている中、加納りえ襲撃という物凄い計画が待っています。

ああ見えてまだ20歳の綾辻さんですが(失礼)、それでもつくり終わった後の腕は、疲労と寒さでプルプルになっていたっておかしくありません。

そんなプルプル腕で、斧を片手でしっかりと振り上げてから、一発で加納の頭に確実に落とさないといけないのです。

もし最初の一発目を外して加納に逃げられたら、斧を持ったままわざわざ追いかけなければいけないですし、雪夜叉姿で走ったら何かボロが出てしまう恐れがあります。(何よりもその画が無様)

なので、綾辻さんは普段からかなり鍛えていたに違いないと推測

(さとうふみや/金成陽三郎、講談社「金田一少年の事件簿」単行本版3巻116ページ)

綾辻は、公式ガイドブックで身長が170センチとされている金田一少年と並んで、ほぼ変わらない身長です。(連載当時のガイドブック設定では167センチだったので、こちらが正しいかも)

どちらにせよ、女性にしては長身ですね。

更に、

(さとうふみや/金成陽三郎、講談社「金田一少年の事件簿」単行本版3巻136ページ)

この外見だけでは、誰も雪夜叉が女性とはわかりませんでした。

場所は極寒の北海道、時間も朝方5時というクッッッソ寒い環境の中、さすがに厚手のダウンなんかは着物の下に着こめないので、薄手のシャツを何枚も重ね着していたと思われますが、肌着を着過ぎると雪夜叉の着物姿が崩れてしまうため、おそらくこの姿が素に近い綾辻の体型です。

着物はタオルで多少体型をカバーできるとはいえ、本館を出てすぐに氷橋を渡り5分ほどで雪夜叉姿に変装して犯行現場である別館の加納の前に姿を現さないといけないため、悠長に体型のことを気にしながら着替えられたとは到底思えません。

ということは、綾辻さんは見るからに線の細いモデル体型ではなく、意外と肩幅が広くガッシリした体型だったのではないでしょうか。

なんてったってあの氷橋を一人でつくったのだから(しかもその疲労を一切他人に見せていない)、洋服の上からでは全くわかりませんが、少なくとも体はムキムキだったことでしょう。

外見からはわからなくても、普段から鍛えていたからこその氷橋トリックだったのです。

(鍛えていたとしても、相当大変な作業ではありますが)

本当に真夜中につくった?

原作では、ドッキリ撮影という名目で早朝3時過ぎには金田一少年らスタッフが全員起床しており、少なくともこの時間までには氷橋を完成していないといけません。

なので、金田一少年も綾辻が真夜中に一人で氷橋をつくったと推理していました。(回想シーンも全て真夜中でした)

時系列としては、

  • 時間不明   俳優たちによるドッキリ撮影
  • PM9:00過ぎ 男性スタッフでビデオ鑑賞会
  • AM3:00過ぎ スタッフ全員起床(加納とこの時既に行方不明の明石以外)
  • AM4:00過ぎ? 本館に到着
  • AM4:55頃  綾辻一人で別館に向かう
  • AM5:03~04分頃 別館で犯行
  • AM5:45頃  玲香以外で、本館を出る
  • AM6:05頃  別館に到着
  • AM10:10頃  本館で明石の遺体発見

ざっと大まかに、このような流れです。

スタッフは午前3時には起床していたようなので、綾辻もこの時間までに氷橋を完成させたということになります。

しかしここで注目なのが、実は第一の被害者だった明石道夫の存在です。

生きている明石の姿は、午後9時過ぎに行われたであろう隠し撮り鑑賞会です。

(さとうふみや/金成陽三郎、講談社「金田一少年の事件簿」単行本版3巻125ページ)

9時に金田一少年と約束してから、いざ姿を現した明石に金田一少年は怒っているので、約束の時間は多少過ぎていたのではと推測できます。

それから明石の姿は誰も見ていませんが、その後午前10時頃に発見された明石の遺体を見た明智警視は、彼は死後12時間は経過しているとしました。

明智警視の検視が正しいとするなら、前日の午後9時過ぎビデオ鑑賞会、翌日午前10時頃に遺体を発見した時には死後12時間経過となると、明石はビデオ鑑賞会の後すぐに綾辻の手にかかったということになります。

となると、金田一少年の推理では

「氷橋をつくりに出掛けた綾辻の後を追った明石が氷橋を見つけてしまい、慌てて彼を手にかけた」

…という推理でしたが、これだと少し不自然です。

ビデオ鑑賞会の後、綾辻の姿を見かけて外に出て、その時点で氷橋があるのを見かけたならば、綾辻は既に午後10時頃の時点で氷橋を完成させていたことになります。

(さとうふみや/金成陽三郎、講談社「金田一少年の事件簿」単行本版4巻93ページ)

しかし回想シーンでも、明石は氷橋を目撃しています。

もし、綾辻が午後10時頃に氷橋をつくりに出掛けその姿を明石が見かけて追いかけたのなら、まだ氷橋は完成していないはずです。

そもそも綾辻の側から考えれば、午後10時頃から氷橋をつくり出し、日付の変わった午前3時前には氷橋を完成させて別館に戻って来ないといけないスケジュールとなると、体力的にもかなりきついはずです。

上記で申し上げた超重労働氷橋つくりを5時間足らずで完成させるのは、女性一人では至難の業です。

なので、明石が綾辻の姿を見かけて追いかけて行った時点で、氷橋は本当に完成していたと考えるのが妥当ではないでしょうか。

つまり、実際には綾辻は真夜中に氷橋はつくっておらず、前日にロープを張った時や、当日のドッキリ撮影の後に隙を見て作業を進め、夜には氷橋を完成させていたのです。

(さとうふみや/金成陽三郎、講談社「金田一少年の事件簿」単行本版4巻92ページ)

ロープだけでは見つかる恐れがないと金田一少年が言っている通り、同じように氷の橋も見つかる恐れはないでしょう。

当日は吹雪で交通も遮断されるほどの悪天候だったため、村人もスタッフも徒歩では谷に近付かなかったでしょうし、尚更氷橋が見つかる恐れはありません。

綾辻は、翌日の壮大な計画を前に、何か忘れ物があったか、氷橋つくりの片付けがあったのか、氷橋の存在を確かめに行ったところを明石に目撃されたのでしょう。

氷橋つくりに比べれば、成人男性を本館まで運んで雪だるまに入れておくくらい、時間的にもかなり余裕があったはずです。

時間がない中で忙しなく犯行を実行するなら、過酷な氷橋つくりは前日などに済ませておいた方が、いざ計画を実行する前では気持ち的にも楽だったことでしょう。

まとめ

「雪夜叉伝説殺人事件」の犯人 雪夜叉(綾辻)が、いつどのようにして氷橋をつくったか、考察してみました。

過酷な重労働を強いられる氷橋つくりは、以前より体をムキムキ鍛えていたからできたものだと推測します。(めちゃ単純な推測)

至極単純ですが、普段何も運動をしていない女性が、夜中に吹雪の中、成人男性を雪だるまに入れるなんて作業も、そう簡単にはできません。

更に、明石の行動や遺体の状況から考えても、氷橋は犯行直前には全て準備完了していたのではないでしょうか。

でないと、氷橋つくりがとにかく体力的に非常にしんどい…年齢がまだ20歳の綾辻とはいえ、絶対にしんどいはずです(断言)。

子どもの頃はこの話を読んでも全く泣けなかったのに、大人になると綾辻母の最期の言葉が痛いほどによくわかってしまい、無駄に泣けます。

 

雪夜叉伝説殺人事件は、金田一少年シリーズ第三話です。

綾辻真理奈主演のスピンオフ漫画、犯人側のわかりみが凄いです。

 

 

2 Comments

キンダニ

この事件コミックで見ていましたが、
早い段階で真犯人に辿り着けました。
唯一、どうやってガードレールを超えるのか・・・。
しかし、トリック解説の際に、
金田一は氷橋の上にワゴン車を置いていました。
「えぇ、ガードレール無視ですかぁ!?」
悩んだ時間を返して欲しい気分になりました。

返信する
アダすけ

キンダニさんこんにちは。

ガードレールをどうやって超えたか、これ本当に謎ですね!
漫画には
「ガードレールにロープを繋いだ」
とあるので、谷の側にガードレールがあるのは確実ですものね。
ガードレールを飛び越えるトリックは、
さすがの金田一少年も思いつかなかったのでしょうか…(笑)

返信する

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です